「スマート・ライフ・プロジェクト」HPより
近年、「生活習慣病」が問題視されて久しい。高血圧や動脈硬化、糖尿病、肥満などは、日本人の死因に大きく関わっているからだ。そのリスクは、世界的な関心事のようだ。
「ワシントン大学健康指標評価研究所(IHME)」は、英医学誌『ランセット』(2015年8月25日付)で、ある調査結果を発表した。世界188カ国を対象に、1990年から2013年にかけて実施された「世界疾病負担調査」から得られた最新データである。なかでも、「世界の死亡リスクを高める10の要因(2013年)」は興味深い。
[an error occurred while processing this directive]1.高血圧(収縮期血圧)
2.喫煙
3.肥満(BMI)
4.糖尿病(空腹時高血糖)
5.塩分の過剰摂取
6.果物の不足
7.大気汚染(微少粒子の拡散)
8.家庭燃料による大気汚染
9.高コレステロール
10.アルコールの過剰摂取
*出典:健康指標評価研究所(2015)
かつては「小児期の低栄養」や「不衛生な飲料水」、「感染症」が上位を占めていた。1990年を境に、死亡リスク要因は大きな変化を遂げ、今では高カロリー・高コレステロールの食事や喫煙、飲酒など、いわゆる“悪い”生活習慣が取って変わった。特に不健康な食事の影響は大きく、世界全体の死亡リスクを21%上昇させているのだそうだ。
「不健康な食事」「喫煙」「運動不足」はグローバルな問題
厚生労働省の人口動態調査によれば12年間(2002~2014年)、日本の死因の上位は変わらず悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患が占めている。
悪性新生物は、肺がん・気管支がん、大腸がん、胃がんが多い。「喫煙」や「動物性脂肪・塩分の摂取量の過剰」、「野菜・果物の摂取不足」が原因に挙げられる。
また、心疾患は心不全、急性心筋梗塞が多く、「動脈硬化」「アルコール」「高血圧」「過剰な精神的ストレス」などが原因とされる。脳血管疾患は、脳梗塞や脳内出血が多く、生活習慣病や「心臓病」「喫煙」などが原因といわれている。
こうして見ると、先ほど挙げた世界の死亡リスク要因は、わが国でも当てはまっていることが分かる。国内でも広く注意喚起されている「不健康な食事」や「喫煙」、「運動不足」は、グローバルな問題でもあったのだ。