西城秀樹さんの教訓に学ぶ脳卒中の予防(画像は『めぐり逢い/Same Old Story 男の生き様』より)
米国脳卒中協会(ASA)では毎年5月を「脳卒中月間(American Stroke Month)」と定めている――。そう伝える外電も、この5月に西城秀樹さん(享年62)の訃報に接していなければ、読み飛ばす類いだったかもしれない。
だが、そのニュースに目が止まったのは、西城さんの早逝の遠因が「脳梗塞」だったからだ。
[an error occurred while processing this directive]全米では毎年13万3000人が「脳卒中」で亡くなっており、5大死因の1つに挙げられている。「脳卒中」には、いくつかの種類がある。大きくは脳の血管がつまる「脳梗塞」と、脳の血管が破れて出血する「脳出血」や「くも膜下出血」だ。
特に脳梗塞は、脳卒中の4分の3以上を占める。脳の血管が詰まると、脳の神経細胞に十分な血液が流れなくなることで多くの障害が引き起こされる。だが、発症時に適切な治療をより早く受けることで、麻痺などの障害が回復するチャンスは高まるとされている。
脳卒中が疑われる症状を知っている人は半数以下
じつは脳卒中の6割以上は、発症時に居合わせた人(バイスタンダー)の発見だ。ところが、脳卒中が疑われる危険な症状について十分に知っている米国人は、半数に満たないのが実情だという。
米国では近年、30~40代で脳卒中発症率の上昇傾向も見られ、「一般の人々を対象に、この喫緊の課題である脳卒中の理解を深めるための啓発活動を行なっている」と、脳卒中月間の意義を説いている。
そして、「誰もが脳卒中になる可能性があり、その準備をしておく必要がある。F.A.S.Tを知っていれば、脳卒中になっても命を守れるかもしれない」と、ASAが脳卒中予防のために覚えやすい合い言葉(=警告サイン)として掲げているのが、略して「F.A.S.T」だ。
4つの頭文字がそれぞれ意味する「警告」の症状はこうだ。