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認知症は予防できない? 「長生きの証」というポジティブな考えもある

認知症の高齢者は2012年で462万人、65歳以上の約7人に1人(depositphotos.com)

 「高齢化率」という言葉がある。これは「総人口に占める65歳以上の割合」のことで、平成28年の時点で日本の高齢化率は27.3%(65歳以上の人口は3459万人)。もちろん世界一だ(平成29年版高齢社会白書・内閣府)。

 高齢者が増えるということは、認知症の人も増えることは必然だ。認知症高齢者数は2012年で462万人となり、65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症であったが、認知症患者は今も増え続け、2025年には高齢者の5人に1人になると推計される。

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 認知症は決して他人事ではない。現在でも、親戚のお婆さん、あるいは上司の親など、あなたの身近でも認知症の人や、認知症の人を介護している人がいるのではないだろうか。自分の親も、いつか認知症を患う時が来るかもしれない。いや、自分だって早めに発症する可能性がないとは言い切れないのだ。

 「認知症になったらおしまいだ」と漠然と考える人は多数派だろう。そんな考えに一石を投じる書籍が先ごろ刊行された。

認知症は予防できない?

 

 認知症専門医で、認知症病棟で看取りまで行う宮本礼子氏と、認知症グループホームを運営する武田純子氏の共著の書籍『認知症を堂々と生きる 終末期医療・介護の現場から』(中央公論新社)は、これまでマイナスイメージしか報じられていない認知症を「長生きの証」と肯定する、目からウロコが落ちる一冊だ。

 なぜ認知症がこれほどまでに恐れられているのか? それは、認知症について正しい知識を持っていないからだろう。

 本書1章では、認知症の進行過程や症状を段階ごとに記載するとともに、4つのタイプの認知症について詳しく解説。さらに、認知症の予防は現段階では難しいこと、抗認知症薬には限界があることなどが書かれている。

 つまり「頑張って予防に励めば認知症にならない」という考えは、幻想だったのだ。

 2章では、認知症の人を介護する家族に対し、13のヒントを掲載。認知症の人を持つ家族は、元気だった頃とつい比べてしまい、日々の介護の中でがっかりした気分を味わうシーンが多いもの。

 しかし、心の持ちようや接し方を変えることで、認知症の本人も、介護者も、幸せな日常を取り戻すことができるようになる。

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