テレビ朝日系のドラマ『オトナ高校』で受ける英才教育とは?(画像は番組HPより)
今回の衆議院議員選挙で多くの党が掲げた「教育改革」――。「教育の無償化」や「大学生の奨学金拡充」など、対象の幅や内容に微差はあるものの大差は感じられない安パイの公約ばかりだった。
そんな選挙戦の、まさに真っ只中(10月14日)に放映がスタートしたテレビ朝日系の土曜ナイトドラマ『オトナ高校』(毎週土曜23時05分~)が謳う教育改革は、フィクションとはいえ現代社会の抱える大問題を面白おかしく照射している。
[an error occurred while processing this directive]〈日本ではこのたび、第二義務教育法案がまとまり、公的教育機関「オトナ高校」を設立。性経験のない30歳以上の男女を入学させ、本当のオトナになるための英才教育を受けさせることを決定したのだ〉
ある夜の帰宅途上、三浦春馬さん扮する3高(イケメンで東大卒でエリート銀行マン)の主人公が、「内閣府」の肩書を名乗る男から、突然、渡された入学召喚状の中身がコレ……。
童貞&処女専門学校の是非を問う
要は、30歳過ぎてのワケあり童貞・処女専門の交際術再教育機関のようなもので、(近年はあまり見かけなくなった)破天荒な泡沫候補ならば現実の公約に掲げても不思議ではないテーマといえなくもない。
事実、かなり笑える要素満載のドラマ的演出をクールに鑑賞すれば――当サイトで最近紹介してきた数本の記事内容(問題提起)が、すぐさま連想されて、笑うに笑えない「現実」が浮き彫りにされた印象が残った。
たとえば、性の面ではとかく進んでいるイメージが強い米国でも、近年の調査では「ティーンエイジャーの5割以上は性体験がない」ようで、少子化が「先進諸国病」と呼ばれる実相をお伝えした(参照:米国の10代の5割以上はセックス未経験! 日本の高3の性体験の経験率は……)。
さらに大ヒット・ドラマ『過保護のカホコ』関連の記事でも、別の全米ティーンエイジャー事情を物語る調査結果を紹介。なかでも「オトナの経験」をめぐる下記の推移例などが目をひいた(参考:若者がセックスも就職も放棄!? ドラマ『過保護のカホコ』が共感された理由)。
○アルバイト経験者:12年生(日本の高校3年生)=1990年代:72~73%→2010年代:55%
○デート経験者:12年生(同前)=1990年代:81~84%→2010年代:63%
●セックス経験者:12年生(同前)=1990年代:64~68%→2010年代:62%
◇飲酒経験者:12年生(同前)=1990年代:81%→2010年代:67%
いずれも調査期間(1976~2016年)の20年間で「10代のオトナ体験」が減少している傾向が明らかだ。