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米国で史上最悪の銃乱射事件 国内に銃は3億丁!銃によるケガの医療費は年間約3000億円!

10月1日、米国ネヴァダ州ラスベガスで発生した銃乱射事件は、死者59人、負傷者約500人を数える史上最悪の事態に(depositphotos.com)

 銃の惨劇がまた繰り返された――。 2017年10月1日、米国ネヴァダ州ラスベガスで銃乱射事件が発生し、死者59人、負傷者約500人を数える史上最悪の銃乱射事件となった。

 警察の発表によると、犯人と目されるスティーブン・クレイグ・パドック容疑者(64歳)は、マンダレイ・ベイ・ホテル&カジノの32階から、コンサート会場に集まる群衆に向けて乱射。特別機動隊がホテルの部屋に突入したところ、自殺した容疑者を発見。ライフル銃など計10丁を押収した。

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救急科(ER)を受診した患者数約70万人!年間医療費は約28億ドル(約3136億円)

 この事件の翌日、米ジョンズ・ホプキンズ大学医学部外科学のFaiz Gani氏らの研究チームは、米国で2006年から2014年の9年間で、銃創によって救急科(ER)を受診した患者数は約70万人に上り、その医療費は年間約28億ドル(約3136億円)に達していた事実を『Health Affairs」10月号に発表した(「HealthDay News」2017年10月2日)。

 Gani氏らによると、米国で銃創による死者は、外傷による死亡原因としては3番目に多く、重大な健康問題となっている。しかし、近年の銃創に関する詳細なデータが不足していたため、Gani氏らは米国内の最大規模のERデータベースを活用し、2006~2014年の銃創患者のデータを分析した。

 その結果、同期間に全米でERを受診した銃創患者は70万4916人に上り、その約89%が男性で、約49%が18~29歳の若年者だった。

 ERにかかった銃創関連の医療費は1人当たり5254ドル(約58万8000円)、入院費は1人当たり9万5887ドル(約1074万円)、米国における銃創関連の医療費は年間約28億ドル(約3136億円)と推定した。

 また、ERを受診した患者の割合(ER受診率)は、2006年の人口10万人当たり27.9人から2013年に21.5人へ22.9%低下したが、2014年には26.6人と増加に転じている。

 さらに、2006年から2014年にかけて精神障害の診断歴がある銃創患者の割合が5.3%から7.5%に、誤射による負傷患者の割合が33.7%から37.4%にそれぞれ増加。同期間にERを受診した全ての銃創患者の銃創の原因で最も多かったのは。意図的な発砲(49.5%)、誤射(35.3%)、銃による自殺企図(5.3%)。なお、銃創患者の8%以上がERまたは入院後の病院で死亡。その死亡率は、自殺企図患者(38.5%)、重傷患者(32.7%)、60歳以上の患者(23.3%)だった。

 ただ、今回の研究では病院に到着する前に死亡した患者や、病院を受診しようとしなかった患者は対象から除外している。したがって、Gani氏は「実際には銃創による死亡者や負傷者の数はもっと多い可能性が高い」と語っている。

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