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【シリーズ「あの人はなぜ死に急いだのか?スターたちの死の真相!」第9回】

坂口良子の最期 横行結腸がんに侵され57歳の若さで永眠

横行結腸がんと肺炎のため永眠。享年57(画像は坂口良子オフィシャルブログより)

 満面の笑顔が女の命運を決めることがある。微笑みがセピア色に変わっても、愛くるしさだけは、いつまでも消え去らない。そんな稀有な女優がいた――。2013(平成25)年3月27日午前3時40分、坂口良子は、横行結腸がんから肺炎を併発し永眠。享年57。

 急死直前の3月中旬頃、『週刊女性』が坂口の重病説を初めて報道する(「衝撃スクープ 坂口良子消化器系重病、都内入院中! 重病でやせ細っても…『週刊女性』2013年3月26日号)。だが、その直後、坂口は自身のブログで、前年末から腸閉塞・肺炎・インフルエンザに罹患し、点滴治療を受け、静養中と釈明する(坂口良子オフィシャルブログ「Ryoko blog」2013年3月12日)。

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 坂口を襲った横行結腸がんは、どのようながんか?

横行結腸がんは「大腸がん」のうち日本女性の死因の第1位

 大腸は、食物が消化吸収された残りの腸内容物を貯留し、水分を吸収して大便にする器官。大腸菌や乳酸菌など数100種類以上の腸内細菌は、大腸内で食物繊維を分解したり、感染を予防したりしている。

 大腸は「盲腸」から始まり、上(頭側)に向かう「上行結腸」、横に向かう「横行結腸」、下に向かう「下行結腸」、S字状に曲がる「S状結腸」、約15cmの真っすぐな「直腸」、最後の肛門括約筋のある「肛門」につながっている。

 大腸がんは、長さ約2mの大腸(盲腸・結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、日本人はS状結腸と直腸にがんを発症しやすい。大腸粘膜の細胞から発生し、「腺腫」という良性のポリープの一部ががん化して発生するがんと、正常な粘膜から直接発生するがんがある。粘膜の表面からがん細胞が発生した後、大腸の壁に次第に深く侵入し、進行するにつれてリンパ節、肝臓、肺などの臓器に転移する。 

 早期の段階では自覚症状は少ないが、血便、下血、下痢、慢性的な便秘、細い便、残便感、腹部の膨張感、腹痛、貧血、体重減少などの症状を伴う。中でも出現の頻度が高い血便は、痔などの良性疾患でも同じような症状が起こるため、大腸がんを早期発見するためには、早めに消化器科、胃腸科、肛門科などを受診することが肝要になる。時には、がんによる腸閉塞から嘔吐などによって、がんが発見されたり、大腸がんの転移が、肺や肝臓の腫瘤(しゅりゅう)として発見される場合もある。

 大腸がんの罹患率は、40歳代から増加し始め、50歳代で加速し、高齢になるほど高まる。大腸がんの罹患率・死亡率はともに男性は女性の約2倍と高く、結腸がんよりも直腸がんの男女差が大きい。

 ちなみに、坂口を死に追いやった横行結腸がんは、大腸がんのうち日本女性の死因の第1位だ。

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