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大量飲酒が<命の回数券>を減らす! 染色体の「テロメア」が「健康長寿」に悪影響

アルコール依存症患者は「健康長寿」を決めるテロメアがより短縮傾向にあることが明らかに(depositphotos.com)

 それまでの澄ました態度が一転し、過度に好意的な態度へと寝ころぶのは「ツンデレ」。うっかりミスを犯しても魔法のような愛嬌ぶりで許されちゃうのが「てへぺろ」。

 それでは、低価格で酒やおつまみなどを提供してくれる、ありがたい居酒屋や立ち飲み店の総称は?

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 「簡単すぎるぅ~、答えは『せんべろ』でしょう。だって、ワタシも連日連夜、予算1000円でべろべろのせんべろ系だもんんん!」

 そんな陽気でイケるクチで、つねに周りを愉しませ、時には記憶が飛んじゃうほど呑んでも翌朝はケロッとしているというようなウワバミ系の方々にお聞きします。

 「ツンデレ」でも「てへぺろ」でも「せんべろ」でもなく、最近になって耳目を集めている「テロメア」の四文字をご存じだろうか?

 今回ご紹介するのはその、染色体末端を保護するという重要な役目を有するテロメア(telomere:ギリシア語で「末端」+「部分」の造語)に関する最新知見である。

 どうか、大酒呑みの皆さんにこそ、酔ってしまう前にご一読いただきたい。

誕生には15000だが30歳を過ぎると6000にまで減る「命の回数券」

 繰り返すが「テロメア」とは、染色体の末端に尻尾のごとく付いている蛋白質のキャップのようなもの。ところがこのオマケ的な末端構造が別名「命の回数券」と呼ばれるほど重要な存在で、わたしたちの「老化」と「全般的な健康」の指標とさえされている。

 というのも、件のテロメアは、細胞が分裂する毎に、少しづつ減ってゆく――平たくいえば、加齢に伴って短くなってゆくわけで、その正体は「塩基」と呼ばれる箇所。誕生時の長さ(=延期数)は1万5000あるのに、30歳を過ぎると6000に半減するという。

 人生の年輪を重ねるに伴い、性格が丸くなるのはいいことだろう。しかし、加齢に伴ってテロメアが徐々に失われ(=塩基数が減少し)、そのキャップ状が短くなるに従って染色体は保護機能を失い、分裂の安定性を損なうために細胞が「老化」する。そうなれば体全体の老化へと悪循環が始まるわけだ。

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