プロの役者が新郎新婦に成り代わって熱演(画像は「メモリプレイ」の公式HPより)
「人は誰でも生涯で15分だけは有名になれる」とはアンディ・ウォーホール(芸術家)の有名なコトバ。そして、ほぼ丸一日、一組の男女を「主役」に祭り上げて祝うのが結婚式だ。
その宴席を盛り上げるため、キャンドルサービスや著名司会者の招聘、ゴンドラ登場から新郎新婦のダイジェスト映像公開まで、ウェディング産業はあの手この手を繰りだしてきたが、どうやら最近の潮流は「子役」という隠し玉の登用らしい。
プロの役者が新郎新婦に成り代わって熱演する「メモリプレイ」
「メモリプレイ」という祝福プランをご存じだろうか。YouTubeで100万回以上再生されているといわれる結婚式演出で、プロの役者が両親の想い出や感謝の気持ちを新郎新婦に成り代わって熱演するものだ。
しかも、新郎新婦への事前の聞き取り調査や子ども時代の画像などを参照に、2人の容姿・人柄・物語に合致する子役をオーディションで選定。オリジナル台本の読み合わせや練習を行ない、披露宴当日は併せ映像とシンクロしつつの名演を繰りひろげるという凝った演出商品だ。
[an error occurred while processing this directive]<涙腺崩壊>の効用とは
この「感動演出」プランを提供しているリベルタ社の紹介サイトを閲覧すると、話題のメモリプレイは「以下の様な方」に自薦されている(一部のみを紹介)。
〇人と違うことがしたい
〇子どもの頃の写真が少ないので子役に思いを託したい
〇迷惑ばかりかけた親にあの頃言えなかった「ごめんね」を伝えたい
〇数え切れないほどの思い出を再現したい
〇「新郎」も親や家族に伝えたい言葉がある
今やその知名度は、テレビ朝日系のバラエティ番組『中居正広のミになる図書館』内で映像紹介された途端に「メモリプレイだ!」と中居さんが膝を叩いたことでも証明された。
「最初はみんな、笑うんだって。『ナニ、劇やっちゃってんの!?』とか、素人の素人だからね。それでも『アレ? コレ、あいつのことやってんじゃん……』『〇〇ちゃんのこと、やってんじゃん』となって、全員が泣くんだってヨ」
さすがは名司会者の中居さん、このサプライズ余興の特徴を簡潔に要約していた。談話中にある「素人の素人」とは、素材自体も一般人の物語ならば、それを演じる子役たちもセミプロ級(?)だから的な意味だろう。
が、これが当初の戸惑いを超えて、徐々に感情移入へと誘導されてゆき、最後は大半の列席者の感涙を誘うというから面白い。