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モデル・マギーさんが回転寿司で「シャリ抜き」! <誤った糖質制限>は栄養失調を招く

回転寿司で「シャリ抜き」「シャリ残し」!(shutterstock.com)

 ラーメン店で「ネギ抜き・調味料抜き・麺少なめ」などを頼む客は昔からいた。寿司の(わ)さび抜きは、今やスーパーでも定番商品として売られている。

 ところが、昨今の回転すし店では「シャリ抜き」の女性客がじわじわと増えてきていると聞く。ならば最初から「刺身」を注文すればいいものを、とも思ったが、意外にも「刺身」を常設メニューとしているチェーン店は少数派なんだとか。

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 残し系を含むシャリ抜き派の声々をネット上で拾うと、「刺身を剥ぎ取り、全部残す」「半分食べて、半分残す」「そもそもシャリが多過ぎる」など、さまざまだが、およそ理由は「太るから」で一致する。

 つまり、近年ブレイク中の<糖質制限>ブームが背景にあっての「剥がし食い」らしい。モデルのマギーさんがバラエティー番組で「上だけで比べていいですか?」と「ネタだけ」を口に運び回転寿司を食レポ。ネット上では、「最低!」「無礼!」の声が上がった。

<麺抜き>や<パン抜き>で糖質オフ

 一方、そんな糖質制限志向派のニーズを先取りし、「麺抜き」や「パン抜き」の対応メニューを提供する飲食チェーン店も散見される。

 前者の一例がリンガーハットで、名物にして主力の長崎ちゃんぽんから麺を抜いた。その名も「野菜たっぷり食べるスープ」には、一本の麺も入っていない。

 後者の「バンズ(パン)抜き」メニューと知られているが、代用のレタスで具をつつんだモスバーガーの「菜摘」。実はダイエット派の(地味な?)支持を受けつつも一時期姿を消していた商品だが、復活の背景にはやはり時代の趨勢が読み取れる。

 レタスでくるむ「菜摘」の場合、中身もモス野菜からロースカツまで選択肢が豊富だが、低炭水化物比では「モスの菜摘テリヤキチキン」が最も糖質量が少なくて10.9g。これをパン有り版で頼んだ場合は34.2gと聞けば、次回から「バンズ抜きで」と唇にのせる女性も少なくないだろう。

 最近は「食べ残しが作法」とされてきた中華料理界でも、食品ロス対策の一環からドギーバックでの持ち帰りを奨める店舗が増えてきた。京都市では2014年から「食べ残しゼロ推進店舗」の認定制度を始めるなど、生産から消費段階にまで至る各界の食品ロス対策は今後ますます進んでいくだろう。

 だが、そこは情報拡散社会である。残しシャリを山脈状に盛った皿画像や、アガリの湯飲みに詰め込んだ投稿画像を閲覧するにつけ、全国の寿司職人に成り代わって「出てけ!」と叱責したくなるのも人情だ。

 劇的なダイエット効果に魅了され、とどまることをしらない糖質制限ブームが続いているが、<これまでの食事から糖質だけを抜く>というのは、健康にとって危険な方法だ。

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