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【シリーズ「DNA鑑定秘話」第40回】

大沢樹生&喜多嶋舞の裁判でも注目された「親子鑑定」は99.99999%の高精度!

「親子鑑定」は99.99999%の高精度!(shutterstock.com)

 子どもが欲しいが、妊娠しない。排卵日に精子を計画的に受精させるタイミング法も試した。排卵誘発剤やホルモン剤も効果がない――。

 そんな不妊に苦しむ夫婦は多い。最後の望みをつなぐのは、人工授精なのか? 体外受精なのか?

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夫の実父が精子を妻に提供し体外受精で173人を無事誕生

 読売新聞(2016年9月17日)によれば、長野県下諏訪町の諏訪マタニティークリニック・根津八紘(ねづやひろ)院長が約20年間に、夫の実父から精子の提供を受けた夫婦114組の体外受精を行ったところ、173人の子どもが誕生していた事実が明らかになった。

 根津院長は、1996年11月から今年7月末までに、夫に精子がない160組の夫婦が夫の実父(50~70歳代)の精子を妻の卵子に入れる体外受精を行い、受精した受精卵を妻の子宮に移植した。その結果、142組が妊娠し、114組が出産したという。

 体外受精で生まれた子どもは、すべて健康に育っている。最初の子どもなら20歳に届く。血縁関係の確認などのトラブルは、もちろん起きていない。血は水よりも濃い。不妊に悩んだ末に、ようやく子どもを授かった夫婦の歓びや至福感はどんなに大きいだろうか。

 だが、夫の実父の精子を借りる体外受精の倫理的・心理的な葛藤が残るデメリットを問う専門家もいるのも確かだ。

日本では推定約6万人の赤ちゃんが体外受精

 体外受精は、卵管が閉塞している場合や、タイミング法(排卵日に精子を計画的に受精させる)や人工授精(子宮内に精子を直接注入し受精を補助する)でも妊娠しない場合に行う。通常は精子を自然受精させるが、精子濃度が低い乏精子症などの障害があれば、顕微授精(卵細胞質内精子注入法)が行われる。

 また、卵子が孵化しにくい時は、着床しやすくするアシステッドハッチング(胚孵化補助)もある。自然妊娠率は平均15%だが、体外受精による妊娠率は平均25%と高い。

 1978年に体外受精を世界で初めて成功したイギリスの生理学者ロバート・G・エドワーズは、2010年度のノーベル生理学・医学賞を受賞した。国内では1983年に東北大学医学部産婦人科の鈴木雅州教授らが初成功して以来、推定約6万人の赤ちゃんが体外受精によって生まれている。

 なお、多数の受精卵を子宮内に戻すと妊娠率がアップするので、一度の体外受精で多数の受精卵を子宮に戻せば、多胎妊娠(2人以上の胎児が子宮内に存在する)も起きる。だが、日本産科婦人科学会は、不妊治療ガイドラインで「体外受精で一度に子宮へ戻す受精卵は原則1個」と定め、母体の安全を配慮している。

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