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【連載「更年期をのりこえよう!」最終回】

40代こそ更年期を意識した検診を! 長期的な健康管理で副作用を防ぐ

早期予防と早期治療が基本

 そろそろ更年期かな?と不安に思ったら、遠慮なく更年期の専門外来を受診していただきたい。一般の婦人科でも対応しているところはあるが、できれば更年期の専門外来を標榜しているところの方が安心だろう。

 なぜなら、更年期の不定愁訴は婦人科のみならず、内科、整形外科、泌尿器科、皮膚科、眼科、心療内科など、多くの科にまたがっていることが多いため、全身を総合的に診る必要があるからだ。

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あまり話を聞かない医師は全身をトータルに診ていない

 最近はネットで医療機関を検索する人も多いが、ホームページはデザインや見た目の印象よりも内容を重視しよう。医師が疾患についての解説や、診療内容、治療方法などを詳しく解説している場合には、比較的信頼できると考えてよいのではないかと思う。

 現在の健康保険診療のもとでは、悩みを聞くのにいくら時間をかけても、保険点数には反映されず医療者側の儲けにはならないので、カウンセリングはないがしろにされがちだが、こと更年期に関しては、患者さんの話をじっくり聞くことこそが適切な治療の第一歩となる。

 あまり話を聞かずに、不眠を訴えたら睡眠薬、頭痛を訴えたら頭痛薬など、症状ごとに薬を出している場合には、全身をトータルに診ていない恐れがある。更年期の不定愁訴は、個別の症状にいちいち対応していても解決にはならないことが多いのである。

 更年期に差しかかった女性は、心身の不具合がなぜ起こったのかがわからないため、不安にさいなまれて右往左往する。複数の科を受診してドクターショッピングを繰り返し、出口の見えないトンネルに入ったような不安感を抱いていた時期が一番つらかった、と告白される方は多い。これが更年期に特有の症状なのだとわかるとストンと気持ちが落ち着き、体調も持ち直したとおっしゃる方がとても多いのである。

 原因と対処法がわかれば、少なくとも先の見えない不安感からは開放される。40代に入ったら、是非、「更年期」という観点から、自分の心身を客観的に観察する視点をもっていただきたいと思う。

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