子育てママ「サクラチル」@yume/PIXTA(ピクスタ)
「保育園落ちた日本死ね!!!」という激情憤懣の見出しで投稿され、2日間で「いいね」の共感が3万件越えした、保活ママの匿名書き込み文。
保育園の入園可否が決まるこの季節、表現は乱暴だが、プレママを含む子育て女性層の不安を代弁し、事の本質を突いている。
[an error occurred while processing this directive]「何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねえーか」。
「子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?」。怒りは深い。
昨年の待機児童数は2万3167人(2015年4月1日時点)。5年ぶりの増加で2万人超えは7年連続だった。
待機児童の増加を「安倍政権で女性の就業者が増えたから。無理もない」と弁明したのは総理自身、「嬉しい悲鳴」とも言い放った彼はこの投稿をどう読むのか。
保活ママの憤怒も総理には馬耳東風!?
「不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園増やせよ」と怒る保活ママの叫びが多くの共感を得る一方、待機児童問題の片翼である保育士不足はより深刻だ。
『東京都保育士実態調査報告書』(2014年3月)によれば、公立・私立の全保育士中18.1%が退職の意向を示し、実際の退職理由は首位の「妊娠・出産」に次いで「給料が低い」が2位。
厚生労働省の『賃金構造基本統計調査』(2014年)でも、保育士の所定内給与は月20万9800円で、全職種平均の月29万9600円と大差が見られ、国の予算見積もりの冷遇ぶりを明かしている。
将来設計が描けず “男性保育士の寿退社”が増えているという現象も決して笑えない。
現職の保育士が約40万人なのに対し、資格を眠らせている「潜在保育士」が約70万人。保育士の有効求人倍率は全国平均で2.18倍、東京都で5.13倍(2015年1月例)と完全な売り手市場ながら、70万人が振り向かない現状が「保育園増やせよ」の表裏で深刻化している。