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綾野剛が主演のドラマ『コウノドリ』も警鐘を鳴らす、深刻化する産科医不足!

ドラマ『コウノドリ 命についてのすべてのこと』はTBS系で放送中(写真は番組HPより

 この秋からリアルな産科医療の現場を描くテレビ金曜ドラマ『コウノドリ 命についてのすべてのこと』がTBS系で放映中だ。原作は鈴ノ木ユウ氏の漫画で、産婦人科医でジャズピアニストの主人公を綾野剛が演じる。

 ドラマでは、切迫流産や人工妊娠中絶のほか、深刻化する産科医不足の危機的な状況も訴えている。日本産科婦人科学会もゲキ推しのようで、産科医宛に同番組の特別試写会の案内が送られている。

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 案内状では、「このドラマについて産婦人科未来委員会でも検討させていただき、周産期医療が誠実に取り上げられていることを確認しております。ドラマを通して、一般の方々の産婦人科医療への理解が進むこと、さらには、医学生や研修医の産婦人科医療への関心が高まることを期待しております。」とべた褒めなのだ。

分娩医がいなくなる? 10年後に地方都市で急減!

 日本の産科医や分娩医は、今どのような状況にあるのか? 2014年3月現在、全国の産科医は1万599人、このうち赤ちゃんを取り上げる出産施設で働く分娩医は9702人(約61%)。2014年10月、日本産科婦人科学会(日産婦)と日本産婦人科医会(日産婦医会)が発表した推計によれば、医師の高齢化や退職、後継者不足によって、分娩医数が、この10年間に急減すると予測されている。

 分娩医は、東京(32.2%)、大阪(17.6%)、兵庫(14.6%)など19都道府県では増加するため、全国平均では約7%の増加。しかし、石川と福島で20%以上の減少、宮崎、大分、島根、岐阜、三重など西日本の9県で10~20%の減少、合わせて27府県で大幅な減少は避けられない見込みという。

 産科の専門医資格を取得するには多くの症例を経験しなければならない。だが、地方は少子化で症例数が少ない。しかも、少人数で過酷な勤務になるため地方の病院は敬遠される。一方で、都内の大学病院に勤務する産科医は自分の子どもへの教育投資にも熱心なため、教育環境が充実している大都市を離れることはなく、地方から分娩医が消えていく。。

 厚生労働省によれば、2012年現在の医師数は約30万3000人。この8年間で12%の増加だが、産科医は552人(4.5%)の微増。平均年齢は46歳と高齢化が年々進行し、当直回数も不規則勤務も多いうえに、医療訴訟リスクへの懸念もある産科医や分娩医の減少に歯止めをかける有効な手立ては見えない。

 妊産婦が安心して赤ちゃんを出産できる環境の整備・拡充が急務だ。対策はないのか? 日産婦も日産婦医会も、国に対策を求めているが、厚労省救急・周産期医療等対策室は「他の診療科の医師も不足し、産科医だけを増やせない」と苦しい弁明に終始している。

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