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【連載 更年期をのりこえよう!第3回】

脳内ホルモンと自律神経の微妙な乱れから生じる更年期の不快症状

更年期症状は、エストロゲンの低下だけではなく様々な要因が重なり合って起きるshutterstock.com

 更年期には脳内ホルモン(神経伝達物質)の分泌のバランスも崩れるのではないかと考えられている。脳には無数の神経細胞(ニューロン)が張り巡らされている。神経細胞と神経細胞の間には僅かな隙間があり、その隙間に神経伝達物質が放出されることによって細胞間の情報伝達が行なわれている。なかでも、情動に大きな影響を与える神経伝達物質にノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンなどがあり、これらを総称して「モノアミン神経伝達物質」という。

 ノルアドレナリンは危険を察知した時に分泌され、生物の生き残りに不可欠な神経伝達物質である。「闘争か逃走(fight or flight)のホルモン」とも呼ばれ、不安、恐怖、緊張といったストレスに晒されると分泌が一気に増加する。ノルアドレナリンが分泌されると、脳は覚醒し、筋肉に酸素や栄養を送るために心拍数と血圧が上昇し、血液が体中を巡り、瞳孔は拡大する。外敵から身を守るために注意力、判断力、集中力が高まり、心身が一気に戦闘モードへ突入する。

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 ノルアドレナリンが適度に分泌されている時、人はほどよい緊張感の中で、やる気や集中力が高まる。ストレスに対する耐性も強くなり、リーダーシップを発揮しやすくなる。しかし、過度のストレスが長期に続くことでノルアドレナリンが減少すると、やる気がなくなり、学習能力や集中力が低下し、注意力も散漫になり、無気力、無関心となる。これが高じると抑うつ症状が現われる。

脳内ホルモンは増えすぎても減りすぎてもダメ

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