受動喫煙をなくせば年間6800人の死者が減る!? kai/PIXTA(ピクスタ)
5年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック(2020年)に向け、喫煙規制の問題が注目されている。近年、五輪開催都市は、大会にあわせて受動喫煙防止の罰則付きの法令を設けている。ところが、東京都の検討会は判断を先送りしている状態だ。
国立がん研究センターは、今年3月に行ったインターネット調査の結果から、都民の75%が「五輪前に喫煙規制を進めるべき」と考えていることを公表した。
[an error occurred while processing this directive]この「東京オリンピックのたばこ対策について」の都民アンケート調査には、都民2375人(このうち21%が喫煙者)が回答。喫煙に何らかの規制をつくるべきだと回答した人の内訳は、「罰則付きの法律や条例を制定すべきだ」が53%、「罰則なしの指針などを設けるべきだ」が22%だった。
タバコを毎日吸う喫煙者も、53%が規制に賛成した。規制を行う場所では、主に医療施設や公共施設、教育施設、五輪の競技施設が挙げられた。「分煙は受動喫煙の防止効果がない」と考える人も、全体の75%に達している。
"利害関係者"が効果のない「分煙設備の導入」を誘導?
アンケート調査の結果報告よると、東京都検討会の委員の多く、そして都民の過半数が、"罰則つきの条例"を制定して「屋内の禁煙化」の推進を支持している。
また、報告では、「少数意見や一部の"利害関係者"の働きかけで、『分煙設備の導入促進』という、効果がなくて世界の潮流から取り残される施策に誘導されるべきではない」と厳しく指弾している。
そして、「禁煙化に向けた議論を進め、罰則つきの規制を導入することが、国民や外国人訪問客の健康のために求められている」とし、それには「政治の強いリーダーシップや決断が必要だ」と提言している。