2023年までに近視患者が50%増える?
便利なアプリが日々発表され、一日にスマホを見つめる時間はどんどん伸びている。取引先からも上司からも友達からも家族からも、メールやLINEが飛んでくるのはすべてスマホだし、空き時間のネットサーフィンやゲームもすべてスマホ。スマホ画面を毎日見続けた結果、「スマホ近視」と呼ばれる人たちが増えてきているという。
Mailonlineの記事によると、フォーカスクリニックのデビッド・アランビー氏は1997年にスマートフォン(いわゆるPDA機能つき携帯電話)が世に出始めてから約35%近視の患者が増えていると指摘した。また2023年までには近視患者は50%まで増えるだろうと警告している。
[an error occurred while processing this directive]実は最近まで両目2.0を誇っていた筆者も、「最近どうもプロジェクターの文字が見にくい、いよいよ老眼の到来か」と眼科で受診したところ、なんと結果は「近視」だった。「この年齢でいまさら近視?」と感じてしまう出来事だった。
考えてみれば、毎日起きている時間のほとんどをスマホの画面を見つめることに費やしている。これが視力を急激に落としている原因だとすれば納得するよりほかない。そして、このスマホが原因で起こるスマホ近視は「ずっと同じ距離でスマホを見つめている」ことが原因らしいのだ。
ピントがロックされて視力が落ちるメカニズム
持ち方によって多少変われど、スマホと目の距離はほぼ一定だろう。それを一日中見つめているということは、目のピントを合わせる距離がつねに一定になるということ。これによって、本来は遠くや近くにピントを合わせるために動く目の筋肉が凝ってしまい、スマホ画面までの距離でしかピントが合わなくなってしまうのだ。これがいわゆる「スマホ近視」が起こるメカニズムである。
メカニズムがわかれば予防するのも比較的簡単だ。アプリの読み込みを待つ時間や、電車内なら駅に到着するたびに少し遠く(5m以上)のものを見る習慣をつけるといい。つまり目のピントを合わせる機構を働かせ続けることが大切なのだ。
ただ、すでに近視になってしまっている場合、それを回復するのは難しい。もちろん、スマホの使用をやめる、あるいは大幅に減らすのが最善の策だろうが、それでは仕事に支障が出てしまう。
そこで「毒を持って毒を制す」アプリの登場だ。視力回復に効果があるというアプリで、目のピント調整機能を鍛える方法をご紹介しよう。
近視の人は平行法、老眼は交差法
スマホ画面でピント機構を調節するアプリとして一般的なのは、「ステレオグラム」という画像を立体視する方法だ。一時期、『マジカルアイ』という名前で話題になり書籍もたくさん出版されていたので、ご存じの方も多いだろう。
ステレオグラムは、2つの画像を「1つの画像として立体的に」見るトレーニングをすることで、目のピントを調節する筋肉を改善するのに役立つと言われている。これを毎日少しずつ続けていくことで、固定されている目のピントを効率的に再訓練することができるのだ。ちなみに近視に対しては平行法が有効だが、老眼には交差法を利用するといい。
まず紹介したいのが「ULTIMEYES」だ。開発者によると「単に目の筋肉を鍛えるのではなく、脳の活動を活発化することにより、視覚野に入ってくる情報を効率的に処理できるようにする」ということで、筆者も試してみたが、たしかにステレオグラムとは違う不思議な「脳が動いている」感覚が味わえる。残念ながら有料アプリだが、興味のある方は試してみるのもよいだろう。
また、「視力ケア アイトレ3D」は、オーソドックスなステレオグラムを表示して、ピント機構を調整するアプリ。静止画だけではなく動く画像もあり、見ているだけでも面白い。平行法と交差法の両方の療法を試せるのも高ポイントだ。
最後に「視力回復トレーニング」は、10万ダウンロードされている無料の人気アプリ。シンプルな機能と異なるパターンのトレーニングが人気で、毎日同じ時間にバイブレーションでトレーニング時間をお知らせする機能があり、「続けられる」ことが魅力だ。ただしステレオグラムの表示機能はない。
視力回復にもさまざまなアプリがあるとはいえ、もちろん「定期的に目を休めること」はなにより大切。1時間に2~3分でも、スマホ画面から目を離し、遠くの景色を眺める習慣をつけるようにしたいものだ。
(文=編集部)