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【連載第4回 -5歳を実現する、50歳からのエクササイズ】

ダラダラでユルユルは確かに楽だけれど...姿勢の悪さは身体の不調にもつながる!

 「悪い姿勢が老けて見える」ということは、想像するに容易です。猫背姿の人を見て、若々しい印象や元気そうな印象を持つことはあまり考えられません。

 イスに座ってパソコンに触れている時、車に乗っている時、電車の中で座っている時。骨盤が後傾して腰が丸まり、お腹がたるんでいませんか? いつも同じ側の脚を上にして組んでいませんか?

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 気を抜くと人は楽な姿勢を取りがちですが、不良姿勢は良い印象を与えられないだけでなく、いつの間にか本来の姿勢が崩れ、体に不調をきたす原因になりうるので要注意です。

 背筋を伸ばして立ってみましょう。横から見た時、耳穴と肩峰(肩の出っ張り)と大転子(大腿骨の出っ張り)を結んだラインが床に垂直になる位置が、良い姿勢です。その姿勢を維持する筋力や柔軟性が身についていれば良いということになります。このラインが前方に傾いていたり、肩だけ前方、あるいは耳だけ前方にでたりしている場合、正しい骨格ではないと言えます。

 また、立位姿勢は一見きれいに見えても、体前屈(両脚を揃え膝を伸ばして前屈)した時、骨盤が前に倒れず背中だけが丸まっていくような場合は、股関節を屈曲させるために弛むべき筋肉が硬く伸びにくくなっているので、これもまた骨格がゆがんでいる可能性があります。

肩こり・膝痛・腰痛の原因は姿勢の悪さ

 人間は本来、二足歩行をするにあたり効率が良く、かつ体に負担をかけないような骨格に進化し、骨盤の前傾角度や背骨の適度な彎曲などは必要なこととして発達してきたわけです。

 ところが、その二足での生活の中で、自由に取る楽な不良姿勢によって骨格を支える筋肉が弱り、使われない筋肉は硬くなり、本来あるべき骨組みの形状が崩れ、その結果、肩こりや頚部の痛み、膝痛や腰痛などにつながることがしばしば起こります。

 さらに人は痛みを緩和させるため、あるいはかばうようにして動作を変えるので、さらに姿勢が崩れ、その繰り返しが骨格のゆがみにつながるという、負のスパイラルをもたらしてしまいます。

 痛みに対する動作の変化や姿勢の変化は無意識に行われることが多いので、気づいた時には筋力バランスが大きく崩れ、部分的に柔軟性が乏しくなり、その結果、骨そのものの変性が起きてしまった時には、修復することが容易ではなくなることがあります。

 例えば肩こりですが、肩峰の位置が前方に位置してしまい、巻き込み肩になっているケースが多く見られます。巻き込み肩になる原因は様々ですが、肩甲骨同士を背骨に寄せる筋肉(菱形筋)が弱い、あるいは機能しにくくなっていることがあげられます。

 肩甲骨同士を寄せてみると、首の後方の筋肉の張りは和らぐのがわかります。この運動をちょっとした合間に行うだけでも構いません。弛みきった菱形筋に刺激を加えて、再度収縮・弛緩という筋肉本来の働きを取り戻させましょう。

巻き込み肩を防ぐ胸を開くストレッチ

 巻き込み肩の原因のもう一つに胸の筋肉が縮まっていて肩峰が後方へスライドできず、胸が開きにくいこともあげられます。これには椅子に浅く座り背もたれを掴むなどして、胸を開くストレッチがオススメです。

 年齢に応じて筋肉の柔軟性は落ちやすいですし、筋力もつきにくくなるので、腰痛を繰り返している人、肩こりや頚部の痛みが慢性的な人、体の硬さを放っている人は、そのままにせず、ちょっとしたストレッチやトレーニングで柔軟性のバランスと筋力のバランスを整えていくことが、元気な身体を維持させるための第一歩になります。


連載「-5歳を実現する、50歳からのエクササイズ」バックナンバー

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