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【インフルエンザのヒミツに迫る! 第2回】

インフルエンザは人間だけの病気ではない。鳥類や豚にも感染する!

インフルエンザは鳥類や豚にも感染するshutterstock

 毎冬、重い全身症状から始まり、強い感染力で息つく間もなく飛び火するインフルエンザ。インフルエンザウイルスがもたらす急性の伝染性感染症は、世界中の人びとを咳と高熱で悩ませ、多くの高齢者の生命を脅かし、乳幼児の脳症を重症化させている。

 インフルエンザは、ウイルスの核タンパク質複合体の抗原性の違いから、A型、B型、C型の3タイプに分類される。大流行するのはA型とB型だが、年ごとに流行する型が変わる。しかも、同じ型でも微妙に型を変化させるので、以前のインフルエンザで獲得した免疫は役に立たず、毎年かかるリスクがある。

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 インフルエンザは大流行のたびに名前がつけられている。1918年の「スペイン風邪(H1N1)」、1957年の「アジア風邪(H2N2」)、1968年の「香港風邪(H3N2)」、1977年の「ソ連風邪(H1N1)」などだ。

 インフルエンザと風邪(普通感冒)の違いは何だろうか?

 インフルエンザにかかると、39℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が起き、のどの痛み、鼻汁の症状が加わる。気管支炎、肺炎、脳症なども併発し、重症化するのがインフルエンザの恐ろしさだ。また、短期間に小児から高齢者まで世代を問わずおびただしい人たちを巻き込み、65歳以上の高齢者の死亡率が高いのも、風邪との大きな違いだ。

 インフルエンザは鼻汁、咽頭痛、咳などの症状のほか、高熱、全身の倦怠、頭痛、腰痛などの強い全身症状があるが、風邪は主にくしゃみ、鼻汁、鼻閉など、上気道の症状が顕著で発熱などの軽い全身症状になる。

鳥類から人間に感染する新型ウイルスの脅威!

 もう少し、インフルエンザの感染力を見てみよう。

 インフルエンザウイルスは、A型の表面にHA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ酵素)の2種類の突起がある。人に感染するインフルエンザウイルスのHAは3種類(H1、H2、H3)、NAは2種類(N1、N2)が知られ、先述のようにA型香港は「H3N2」、A型ソ連は「H1N1」というように表記する。

 インフルエンザは鳥類や豚にも感染し、鳥類ではHAが15種類、NAが9種類ある。鳥類のウイルスは人間にうつらないが、豚には人間と鳥類両方のウイルスがうつる。豚が人間と鳥類のウイルスに感染し、豚の体内で人間と鳥類のウイルスの遺伝子の一部が置き換わる(交雑する)と、人間にも感染する新型ウイルスが発生する。

 2013年1月、香港で発生した新型ウイルス(H5N1)は、鳥類のウイルスのため人間にはうつらないとされたが、鳥類から人にうつった稀なケースになった。ただ、遺伝子の型が鳥類の型だったので、パンデミック(世界的大流行)が避けられたのは幸いだった。
(文=編集部)

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