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【緊急掲載「日本のコロナ対応は政府の無能と凶暴を映す鏡」PART2】

天下の愚策 GoToトラベルに異様なまでの執着を見せた菅政権

あとから言い出した人流抑制って?GoToは笑うしかない

 日本政府の大失策として、どうしても言及しなければならないのは、GoToトラベルキャンペーンだ。この政策の失敗がコロナの拡大を社会に定着させ、いまのコロナ危機を呼び込んだ元凶となっているためだ。

 GoToトラベルはコロナの感染拡大で打撃を受けた観光業を支援するのが目的で、ホテル代など国内旅行代金のうち最大35%を割り引き、15%分をお土産などの買い物ができるクーポン券として配る旅行奨励策だ。支援額の上限は1泊の場合2万円、日帰りの場合1万円となる。

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 政府は8月上旬から開始する予定だったが、それを前倒しして7月22日からスタートさせると言い出した。そもそも政府はGoToトラベルの閣議決定にあたり、その実施時期について「新型コロナ感染症の拡大が収束した後」と文書に明記していた。4月にピークを迎えた第1波は落ち着いていたが、世界的にもコロナが猛威を振るっており、日本も国民の自粛行動で感染者が大幅に減っただけで、旅行を奨励するような「収束」と考える国民は少なく、この政策は半年とか1年後、コロナ禍が過ぎた後に実施されるのだろうという見方が多かったはずだ。さらに、7月に入り、コロナ感染は東京を中心に急増しつつあり、とても収束とはいえない状況だった。
 
 だが、安倍首相(当時)は東京発着は除外したものの、キャンペーンそのものは22日から開始することを新型コロナウイルス感染症対策分科会に諮り、専門家たちもこれを了承した。第1波は4月11日に全国で最高の720人だったが、7月22日は795人に増大していた。第1波のピークを既に上回っていたにもかかわらず、政府と専門家たちは人の移動を積極的に促す政策を推進したのだ。

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