脳を「休める&鍛える」でバージョンアップ!写真提供:ブレインフィットネス
脳トレブームは今も続いているが、「歳をとっても認知症になりたくない」「最近、もの忘れがあるので心配」などの動機で取り組んでいる人が多いのかもしれない。
実は脳にとっては「鍛える」だけでなく「休める」ことも大切で、ビジネスパーソンのように脳を酷使しすぎるのもよくないという。
[an error occurred while processing this directive]人生100年時代に不可欠な「脳の健康」をトータルにケアできる脳のトレーニングジム「ブレインフィットネス」(東京都・恵比寿)の広報・森下愛子さんに、脳の健康にとって必要なことなどについて話を聞いた。
効果が実証された脳トレなどで脳を刺激する
脳の健康というと、大きく分けて2つのニーズがあるのかもしれない。まず1つめは「脳を鍛えて、もの忘れや認知症予防に取り組む」、2つめは「毎日脳を酷使しているので、脳を休める方法を習得する」だ。
最近、広く知られるようになってきたが、アルツハイマー型認知症は、脳の中に「アミロイドβたんぱく」という物質が発症の20〜25年ほど前から蓄積し始め、タウ凝縮を引き起こすことで神経細胞が少しずつ死滅。脳が萎縮していく病気だ。もし60代半ばで発症したとすると、実は40代に入ったころからアミロイドβの蓄積が始まっていたということになる。
しかし認知症は、世界中の製薬メーカが治療薬の開発にしのぎを削るにもかかわらず、まだ有効な治療方法が見つかっていない。そのため現状では、予防に力を入れるしかない。ちなみに、糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、認知症の発症リスクを高める。早めに治療することが大切だ。
では「ブレインフィットネス」ではどのようなプログラムが提供されているのだろうか。
「ブレインフィットネスでは『①脳トレ』『②筋トレ』『③睡眠指導』『④食事指導』『⑤マインドフルネス』『⑥デュアルタスク』などのメニューを用意しています」と森下さん。
「まず『①脳トレ』では、世界の脳トレゲームのエビデンスレベルを精査し、最も高いLebel1の評価を得た脳トレゲーム『コグニフィット』など、信頼性の高いゲームを選定・導入しています。また、脳トレ中の脳血流量を測定する『HOT1000』も取り入れ、トレーニング中にどれくらい脳の血流量が増えているか(脳が活発化しているか)をモニタリングできます」
そして「『②筋トレ』と『⑥デュアルタスク』では、単純な作業と複雑な脳刺激を組み合わせる(デュアルタスクする)ことで、脳に良い効果が得られることが分かっています。国立長寿医療研究センターとインターリハ社の共同開発により生まれた『コグニバイク』で、有酸素運動と脳トレを同時に行います」と森下さんは説明する。
また良質の睡眠(深睡眠)をとることで、アミロイドβが脳脊髄液中に排出されることがわかっている。そのため「③睡眠指導」も行われる。
また、食事内容によっても認知症を予防できることがわかっているので、毎日の食事内容を写真に撮ってもらい、その記録をもとに具体的な「④食事指導」も行われている。
さらには、ストレスが脳の海馬などを萎縮させることから、「⑤マインドフルネス」により脳のストレスを解放するプログラムも。マインドフルネスを行っている間の脳波を、カナダinteraxon社が開発した「muse」により測定するサービスも提供されているという。
次のページでは、脳を休めるためのプログラム内容などをご紹介しよう。