熊本地震では「災害関連死」の認定でバラつきが問題に(depositphotos.com)
ここのところ、また地震が頻発している日本。4月半ば以降だけでも北海道や愛知、鹿児島、沖縄などで震度3〜5弱の地震が相次いで起きている。この国ではどこであろうと、明日、大地震に見舞われてもおかしくない。
4月14日で、最大震度7の地震が2度も観測された熊本地震から丸2年が過ぎた。この地震による熊本・大分両県の人的被害は2018年4月13日時点で死者267人。そのうち直接死50人と、大雨による二次災害死5人を除いた、いわゆる「震災関連死」は212人に。直接死の4倍を超えた。
[an error occurred while processing this directive]自治体で認定率に4倍以上の開き
震災関連死とは、避難生活のストレスや持病の悪化など、「震災による間接的な原因」で死亡することだ。遺族が申請し、各市町村が設置する審査会が震災関連死と認定すれば、最高500万円の弔慰金が遺族に支払われる。
しかし、その認定を巡って、今も自治体は対応に苦しんでいる。熊本県のまとめによると、市町村によって申請数に対する認定された人の割合(認定率)に大きなバラつきがあることがわかった。
主な市区町村の認定状況を見ると、最高は「阿蘇市で60.6%」、最低は「嘉島町で14.3%」。
申請が340人と県内で最も多い熊本市では、79人の関連死が認められたが、一方で201人が却下され認定率は28%。却下された人のうち、28人が「行政不服審査会」へ不服を申し立てている。
また、熊本市と益城町、大津町が、行政不服審査会から「遺族への却下の理由通知が不十分」と指摘を受け、計16人の決定を取り消して審査をやり直すといった問題も浮上している。