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【連載「歯科医療の革命~顕微鏡歯科治療」第3回】

顕微鏡歯科治療で「歯科医の技術の差」が明らかに!大切なのは「見える治療」と「見せる治療」

顕微鏡歯科治療で「歯科医の技術の差」が明らかになる(depositphotos.com)

 読者の皆さんは、こんな経験ありませんか?

 歯科院に行って、虫歯のチェックをしていると歯科医が言います。
「〇〇さん、右上の奥から2番目の歯の後ろに虫歯がありますね、治療しましょう」
「先生、全く痛んだりしみたりしないし、違和感すらありませんよ?」
「自覚症状出てからでは神経を取らなくてはいけなくなることもあるので、早めに治療しましょう」
「そうなんですか?」
「それでは〇〇さん、この手鏡を持ってください」

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 歯科医は直径2cmほどの治療用ミラー(デンタルミラー)を口の中に入れ、虫歯がある歯を鏡に映します。

 「〇〇さん、お渡しした手鏡でこのミラーを見てください。ほらこの歯の後ろに虫歯がありますよね?」
 「うーん、なんか暗いし小さくて良くわかりませんが、少し黒くなっている気がします」

 患者のあなたは考えます――。よく見えないけど、嘘をつくようなタイプの先生ではないし、他の歯科医院に行って診てもらうのも面倒だし、治療してもらおうかな?

 日本では「説明と同意」と訳されてる「インフォームドコンセント」ですが、上記の例のように、いくら説明されても、見えないものに同意することができない人もいるでしょう。説明を受けた上で、理解をしてから治療に同意するためにはどうしたらいいのでしょうか?

歯科用の顕微鏡で本当の意味でのインフォームドコンセントが可能に

 通常の歯科医では、診察台についているランプ(無影灯)で照らしているはずです。その光が当たっているはずなのに、虫歯は暗くて見えにくい……。というのも、ランプでは大きな範囲に光が当たるので、口の中の小さな歯よりも、口の周りのほうが明かるなってしまい、よく見ることが難しいのです。

 日本では2000年に歯科用の顕微鏡が発売されました。この顕微鏡を使うと、暗い部分に光がピンポイントで当たり、非常にクリアーな視界が得られます。また、顕微鏡は最大で20倍以上も拡大することができるので、繊細で確実な治療ができるようになります。

 当クリニックでは、治療する歯を見ていただくために、手鏡ではなく眼鏡タイプのモニターをかけていただきます。歯科医が見ている虫歯をミラーに映し、顕微鏡で拡大した像と同じものを見ることができます。もちろん動画として保存もしているので、治療方法や治療経過も説明することができます。

 顕微鏡を通して、明るく拡大された虫歯をしっかり確認できてこそ、本当の意味でのインフォームドコンセントになると思います。

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