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【連載「頭痛の秘密がここまで解き明かされてきた」第19回】

衆議院選挙が終わったから話せる頭痛と選挙の意外な関係

片頭痛と選挙って関係ある?

 やっと衆議院選挙も終わりましたので、今回は、「頭痛と選挙の意外な関係」についてお話ししたいと思います。
 
 一見して頭痛と選挙は、関係ないように思いますが、選挙カーの「音」が大きな問題になるのです。片頭痛の人は、またこの時期になると、すぐにわかると思いますが、一般の人でも、選挙カーの音が気になることがあると思います。

普通の人でも大きな音が続くと、気分が悪くなることもあります。ましてや、片頭痛の患者さんには、選挙カーの「音」は大問題です。特に片頭痛発作が起こっている時などは最悪の環境になります。大きな音で頭痛が長引いたり、強く増強されたりしてしまうからです。片頭痛の発作が起こっている人は、「暗く静かな所で、じっと横になっていいます。」とよくおっしゃいます。このように、今回は、音過敏と頭痛についてのお話ししたいと思います。

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音過敏(聴覚過敏:Phonophobia)と頭痛

 片頭痛の中でも、特に慢性片頭痛と呼ばれる分類の患者さんでは、音過敏は片頭痛発作時の随伴症状として80%の人で感じるとの報告(文献1,2)があります。

 他の随伴症状である光過敏(71%)、吐き気(77%)、嘔吐(41%)、めまい(14%)とくらべてももっとも多い症状と考えられます。

 特に、音過敏、光過敏を合併しているタイプでは、頭痛の持続時間が長く、頭痛の強さが強い傾向が見られます。このように音過敏や光過敏(視覚過敏:Photophobia)を伴う症状では、通常の片頭痛と比べてより重篤な可能性があります。
 
 音過敏による頭痛にお悩みなら、一度、耳栓は試した方が良いと思います。耳栓をすることで、耳閉感を感じることもありますが、それによって静寂を得られて、頭痛が早く改善するなら使用してください。光過敏も同様で、サングラスや暗い部屋で、じっとすることで早く片頭痛がおさまる環境を考えて、自分あった最適の環境を創造してください。

 片頭痛に対する音過敏や光過敏に対する薬物療法については、主治医の先生とも、よくご相談ください。

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