10月15日は「世界手洗いの日」(depositphotos.com)
10月15日は「世界手洗いの日」。国際衛生年だった2008年に制定され、毎年この日には世界100カ国以上で「正しい手洗い」を学ぶ様々なイベントが開催されている。
いうまでもなく、手を洗うことは感染症を予防する一番の方法だ。今年(2017年)は7月後半からRSウイルス感染症が流行しており、また、これから冬に向かってインフルエンザやノロウイルスなども懸念される。
[an error occurred while processing this directive]この機会に改めて手洗いについて考えてみたい。
「正しい手洗い」とは?
単に手洗いといっても、個人個人でやり方が違うことだろう。「正しい手洗いの仕方」とは、どんなものか?
厚生労働省がインフルエンザ対策としてサイト内で公開している「正しい手の洗い方」を見てみよう(参考:政府広報オンライン「マメに正しい手の洗い方」)。
ここでは、「爪は短く切る」「時計や指輪は外す」としたうえで、「①流水で手を濡らす」「②石けんをつけて手を洗う」「③十分に水で流す」「④清潔なタオルやペーパータオルで水気を拭き、乾かす」の手順が示されている。
②の石けんで洗う際には、洗い残しがないよう、手のひら→手の甲→指先・爪の先→指の間→親指の付け根→手首と、非常に念入りだ。ここまでやれば除菌効果は間違いなさそうだが、実際のところはどうだろうか?
トイレに行っても約1割が手を洗っていない
2017年9月、シャボン玉石けん株式会社が、子どもを持つ男女を対象に手洗いの調査を行った。
これによると、「石けんを使って手洗いをする子ども」は全体で76%だったが、「食事の前」では44%、「トイレの後」では36%、「おやつの前」では25%と、水だけで手洗いをしている子どもが多いことがわかる。
また、「1日の中で必ず手を洗うタイミング」についての問いで、「食事の前」と回答したのが47%と、2人に1人が食事の前に手を洗っていないことが判明している。
子どもだけではない。2015年の消費者庁による実態調査では、16~65歳の男女で、「食事前に手を洗う」のは52.6%と約5割に留まり、トイレ後については、「小便の後のみ手を洗わない」「大便の後のみ手を洗わない」「大便・小便ともに手を洗わない」の3つの回答をあわせると15.4%と、約1割が手を洗っていないという驚きの結果もでている。
昨今は雑菌の温床としてスマホが取り沙汰されるなど、外出や食事に関わらず手が汚れる機会は多い。そんななか、手洗いをしない、または水だけで済ませている実態は、「正しい手洗い」には程遠い。