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腸には免疫機能が集中 乳酸菌不足が免疫の暴走を招き、がんやアレルギーに!?

乳酸菌がすべてを解決する!(depositphotos.com)

 乳酸菌というと、「整腸作用」や「アレルギーケア」をうたう商品が人気を集めている。実は腸内環境の善し悪しが、「花粉症」や「アトピー性皮膚炎」などのアレルギー、「大腸がん」「うつ状態」「生活習慣病(高血糖・高血圧・脂質異常症)」など、多くの疾患の発症に大きな影響を与えていることが分かってきた。

 『乳酸菌がすべてを解決する』(アスコム)の著者、新宿大腸クリニックの後藤利夫院長に、腸内環境と病気との関係について話を聞いた。

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現代の清潔志向の行き過ぎから、母親の腸内細菌を子どもが受け継ぎにくくなっている

 「元来からほ乳類の腸内には乳酸菌が棲んでいて、仲良くやってきた。しかし現代は清潔志向の行き過ぎから、母親の腸内細菌を子どもが受け継ぎにくくなっている」と後藤院長。

 だいたい3歳くらいまでに母親の腸内細菌を受け継ぐのだが、「菌=健康を脅かす悪いものだから清潔に」という考えが広がるにつれ、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギーなどが増えていると考えられている。

 「また、あまりに清潔な環境で成長すると、免疫の暴走を抑える『Tレグ(制御性T細胞)』の数が少ないまま大人になってしまう。Tレグは大人になってからも作ることができるが、その『数』が問題なのだという。3歳ぐらいまでに培ったTレグの数が少ないと、まさに免疫の暴走が止まらず、自分の体を攻撃してしまうという悲劇が起きる」

 さらには、腸内で乳酸菌が少なくなって悪玉菌が増えると「液性免疫(Th2)」が優位になり、それが暴走をしてアレルギー症状が引き起こされる。乳酸菌で腸内フローラのバランスを整えれば、花粉症やアトピー性皮膚炎のつらい症状が改善する可能性もある。アレルギーに悩む人は、乳酸菌を積極的に摂取したい。

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