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【連載「グローバリズムと日本の医療」第13回】

火傷にはハチミツを塗れ? 百日咳にはニンニクが効く? 世界の代替医療を科学で斬る!

科学的な近代医学には限界が?(shutterstock.com)

 科学が発達していなかった太古の昔から、人間は疾病に悩まされ続けてきた。しかし、単に自然のなすがままになっていたわけではなく、さまざまな知恵や経験を活かして、世界各地で民間療法(代替医療)が発達していった。

 科学的・分析的な近代医学の限界を指摘する同志社大学の服部伸教授は、代替医療を「時には霊の⼒を援⽤しながら、患者の⼼⾝全体の調和を取り戻そうとする医療」と定義づけている。

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 代替医療には、中国医学や漢⽅医学、インドのアーユルヴェーダなどが含まれる。全く非科学的なものもあれば、ある程度の効用が科学的に立証されているものもある。また、科学的に安全性や有効性が確証されれば、一部の漢方薬のように通常医療に組み込まれることもある。最近では、通常医療を代替するものではなく、補完するという考え方に変化している。

 米国保健福祉省公衆衛生局(PHS)の管轄下にあり、同国で最も古い医学研究機関である米国立衛生研究所(NIH)に属する米国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、症状のマネジメントのために「補完的健康アプローチ」という用語を用いている。

 また世界保健機関(WHO)も、2000年に発表した「伝統医療の研究・評価の方法論の一般的ガイドライン」において、「該当国の伝統に基づいており、かつ主流の医療制度に統合さらえていない医療技法」と補完・代替医療を定義づけている。

 NCCIHが提唱する補完的健康アプローチには、2つのグループがある。薬草(生薬やハーブなど)を使った製品やビタミン・ミネラルなどのサプリメントなどを総称した「天然物」と、鍼、瞑想、マッサージ、カイロプラクティック、太極拳などを総称した「心身療法」である。

 次に世界のさまざまな地域で行われている「天然物」を使った補完的健康アプローチを紹介しよう。

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