小中学生に占める不登校の割合は1.2%(shutterstock.com)
学校へ行かない不登校の子どもたちが全国で増え続けている——。
文部科学省のデータ(2014年)によれば、小中学生1012万736人のうち不登校は12万2902人(継続5万7095人、新規6万5807人)。小中学生に占める不登校の割合は1.2%。1日当たり180人が不登校になっている。
[an error occurred while processing this directive]22年間の推移を見ると、約3万3000人(1993年)から約6万5000人(2014年)に倍増している。不登校は、学年が上がるほど高くなる傾向があり、中学生の急増が目立つ。
不登校とは、学籍がある子どもが心理的・情緒的・身体的・社会的な要因によって登校しない、または登校したくてもできない状況をいう。
ゆとり教育からの揺り戻し、学習時間の増大化、部活や塾の長時間化、ゲームやスマホの浸透など、子どもを取り巻く環境が激変し、睡眠不足やストレスが原因の不登校が増えている。また、不登校は心の調整機能、自己回復力の自然な生理現象とされる。いじめを受ける、頑張りすぎる、対人関係が緊張して心身がオーバーヒートするからだ。
だが、学校に行けなくなるのは心が休養をとるためで、休めば必ず元気になる。不登校になった子どもは、自己肯定感が下がり、気持ちを周りに伝えられなくなるが、不登校になる前にサインを出している場合が少なくない。
たとえば、子どもは、おなかが痛いなどと体の症状や行動でSOSを発信したり、親から離れなかったり、暴力を振るったりする。感情の起伏は激しいものの、やがて学校に行かないのかを説明できるようになる。
したがって、親は「学校に行きなさい」と叱らず、子どもの話にじっくりと耳を傾ければ、子どもは信頼感や自己肯定感を保てるだろう。
しかし、今の時期は、適応障害(AD)の五月病や六月病の季節にも重なっている。夜眠れない、朝起きられない。気が滅入り、落ち込み、勉強に集中できない。
抑うつ、無気力、不安感、焦りに襲われる。疲れる、食欲がない、やる気が出ない、人に会いたくない……。子どもたちは、ひとりで苦しみ悩んでいる。