ダイエットの“近道”は自転車で(shutterstock.com)
春になり、自転車通勤の姿が目につくようになってきた。気持ちよく颯爽と走る姿に、自転車通勤への憧れが高じる人もいるだろう。
中年期の体脂肪と体重を減らすには徒歩や自転車、あるいは公共交通機関を利用した通勤スタイルが有用であることが最新研究で示唆された。
[an error occurred while processing this directive]英・ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院(LSHTM)講師のEllen Flint氏らの報告で、詳細は『The Lancet Diabetes & Endocrinology』(3月15日号)に寄せられた。研究著者のEllen氏は語る。
「運動不足が健康状態の悪化を招き、早期死亡の主因のひとつであることは言うまでもない。しかしながら、英国では成人男女のおよそ3分の2が推奨レベルの身体活動を満たしていないのが実情だ」
そんな背景の実態を探るべく、今回の研究に際しては、英国人男女15万人以上(40~69歳)の情報を集めて解析した。
ちなみに、比較対象とされるクルマ派のうち3分の1が毎日、ハンドルを握って通勤していたそうだ。
適正体重への近道は“自転車通勤”がいちばん
結果、クルマ通勤派(以下、「C派」と表す)との比較において、最も有用な体脂肪/体重の減少効果が得られたのは、薫風を切っての「自転車通勤」だった。
53歳男性陣の比較例では、C派よりも体重が約5kg少なく、BMI(体格指数:Body Math Index)が1.7低かった。
BMIは、体重と身長をもとに計算される体脂肪の指標値だ。CDC(米国疾病管理予防センター)によれば、BMI25未満は「適正体重」、25以上は「過体重」、30以上は「肥満」と定義されている。
同じ自転車ツーキニストでも、女性の場合はどうかといえば、こちらも同性のC派層に対して体重で約4.5kg少なく、BMIも1.65低かったそうだ。
次いで、徒歩派もC派比で男女共BMIが0.98低く、自転車派と同じく移動距離が長いほどBMI低減幅も大きい事実が判明した。
では、もっぱら公共交通機関を利用している層は、C派との比較において優位なのか下位なのか? 結果は、男性同士の比較例で公共交通機関の利用者の方が、BMIが0.7少ないことが判明。
さらに、徒歩ないしは自転車と公共交通機関の複合利用層の場合は、C派に対して男性層で1、女性層では0.7、それぞれのBMI値が低かった。