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【シリーズ「最新の科学捜査で真犯人を追え!」第10回】

荷物の中身を透視する「テラヘルツ波」、眼に見えない筆圧を映し出す「静電検出装置」

眼に見えない筆圧を映し出す(shutterstock.com)

 このシリ—ズでは、以前に科学捜査用ライトのALS(Alternative Light Sources/励起光源)を以前に紹介した。ALSは、可視光線、赤外線、紫外線が出す光(電磁波)の周波数(355~900nm)を照射して、肉眼で捉え切れない痕跡や証拠を可視化する最先端のオプティカル検査システム。

 つまり、ALSは、裸眼で見えない指紋、血痕、体液、毛髪、繊維、打撲痕などの痕跡を「見える化」する技術だ。

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 一方、密封された荷物や郵便物の中身を透視するのがテラヘルツ波だ。テラヘルツ波は、1秒間に1兆回(周波数100GHz〜100THz)も振動する電磁波(波長3mm~30μm)。光と電波の両方の性質があるため、直進性、透過性、浸透性という特性を兼ね備えている。

 この特性を活かしたテラヘルツ波は、X線と同じように紙、ガラス、ビニールなどを透過しやすい。たとえば、郵便物に紛れ込んで密輸された麻薬や覚せい剤などの違法薬物を開封せずに探知したり、紙幣やICカードの内部構造を分析し、偽造物を識別したりできる。テロ犯罪の予防や偽造犯罪の摘発の切り札だ。

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