MENU

くも膜下出血で家族が意識不明!医療費・保険・預金口座など「お金」の行方はどうなる?

手術費や入院費の問題は避けられない(shutterstock.com)

 いつも通りに出勤したものの、朝から頭痛がする。同僚に心配されるも、「大丈夫」と返していたら、突然の嘔吐。次第に意識が混濁して病院に救急搬送された結果、くも膜下出血と判明。緊急手術をするも意識は戻らず……。

 厚生労働省が行った平成26年度の人口動態統計によれば、日本人の死因の第1位は悪性腫瘍(がん)、第2位に心疾患(狭心症や心筋梗塞)、第3位肺炎と続き、第4位が脳血管疾患となっている。くも膜下出血や脳内出血、脳梗塞などだ。脳梗塞の発症平均年齢は70代だが、くも膜下出血は40〜50代も多く発症する。

[an error occurred while processing this directive]

 冒頭の例のように、働き盛りの人が突然倒れるという現象は決して珍しいことではない。人の目がある会社内で倒れた場合はすぐに病院で処置ができる幸運はあるが、不幸にしてそのまま意識が戻らないこともあるだろう。命は取り留めたものの、回復の見込みが医師にも判断つかない状態になったとき、患者の親族には経済的な心配が持ち上がってくる。いつまでかかるかわからない入院費や手術代をどうすればいいのか…?

脳血管疾患や心疾患で労災保険の受給は難しい

 勤務先での発症の場合、一番に考えるのは労災保険だろう。勤務時間内はもちろん通勤途中でも、怪我などを負えば、業務災害として労災保険の申請・受給ができる。

 しかし、脳血管疾患や心疾患については話が違う。発症の原因が仕事に関係あると証明できなければ、受給はできない。厚労省が示している労災認定基準によれば、以下の3点のいずれかを満たさなければならない。

①疾患を発症した当日直前から前日までの間に仕事上の事故・事件など異常な出来事に遭遇した
②発症前の1週間に特に過重な業務をしていた
③発症前の6カ月間著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務をしていた、

 具体的には、1カ月当たりおおむね45時間超の時間外労働で、発症との関係が強まるとされる。また、発症までの1カ月間におおむね100時間、または2カ月間ないし6カ月間にわたって1カ月当たり80時間超の時間外労働があった場合には、発症との関係が強いと判断される。

 この基準に適うかどうか、勤務形態を詳しく知らない親族ではわからないだろう。受給申請の手続きはできるが、審査には時間がかかるため、すぐに保険金がおりることはない。もちろん適用外との結果が出れば、支給はない。

限度額適用認定証や傷病手当で医療費を軽減しよう

関連記事
アクセスランキング