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医療機関とのさらなる連携を! 知られざる鍼灸師の世界

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師になるには、それぞれ国家資格が必要(shutterstock.com)

 40歳を過ぎてから、一念発起してはり師ときゅう師の資格を取得しました。

 社会人になり、四六時中仕事のことばかり考え、我武者羅に働いた時期もありました。学生時代に負荷を掛けすぎた身体は、正直なところあちこちガタが来ており、30歳を過ぎた頃から痛みとなって現れました。この不調を自分自身の技術で治したい、人生の後半はこれまでお世話になった方々に多少なりとも恩返し出来る仕事に就きたい、そんな思いから40歳を過ぎて鍼灸師の世界へ足を踏み入れました。

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 平成4年以降、鍼灸師の資格は都道府県知事免許から厚生労働大臣免許となり資格試験も国家試験となっています。正式には、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師と各々別の国家資格になります。受験するには、養成施設(専門学校)或いは大学において3年以上の課程を履修し、単位を取得しなければなりません。40歳を過ぎてからの記憶力勝負は相当苦しいものがありましたが、夜間の専門学校に通いなんとか資格を取得できました。

 鍼灸師になってみると、私にとっては身近な存在だった鍼灸治療が、多くの方々には縁遠くて怖い存在だということが分かりました。鍼灸のことを胡散臭いと思っていらっしゃる方も実際にいらっしゃいます。

 現在私は、医療現場に近いところでお仕事をさせて貰っています。そこで感じているいくつかの思いを皆さんにお伝えし、鍼灸について少しでも興味を持って頂ければと思います。

あはき師と医療制度について

 業界では、あはき師とひとくくりにされますが、先にもご説明したように、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師とそれぞれ資格は独立しており、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(通称あはき法)に規制されています。ですので、一般にマッサージと呼ばれる行為は、あん摩マッサージ指圧師の免許がなければ行えません。

 近頃は「ほぐし」「こりとり」などと表現してマッサージ行為を行っている店舗もありますが、率直に言えば違法行為です。皆さんが無資格者による乱暴なマッサージで健康被害を受けない為には、あん摩マッサージ指圧師の資格を確認してから施術を受けて頂くのが一番だと思います。有資格者がマッサージを行っている店舗には、資格免許状が目に付くところに飾ってあります。

 保険使えますか? とのお問い合わせも時々頂きます。健康保険による鍼灸マッサージは、健康保険法の療養費制度(第44条の2項)に基づいており、制度に対応している治療院であれば保険で治療をうけられます。しかし、必ず医師の同意書が必要です。対象となる疾患や症状も限定されています。

 鍼灸は、①神経痛、②リウマチ、③頚腕症候群、④五十肩、⑤腰痛症、⑥頸椎捻挫後遺症の6疾患です。マッサージは、病名ではなく①筋麻痺、②関節拘縮という症状に限定されます。

 療養費制度を利用することにより、治療が限定されることを嫌い自費治療しか行わない治療院もありますので、事前にお問合わせなさることをお勧めします。

漢方処方と鍼灸治療の併用について

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