この夏、ゆう活で夕方の時間をどこまで有効に有意義に使えるだろう?(政府公報オンラインより)
7月1日から各省庁で、朝型勤務「ゆう活」が導入された。いわゆるサマータイムとは何が違うのだろう?
サマータイムとは、全国の時計の針を一斉に進めることで朝の早い時間に活動を始め、夕方から夜の長い時間を有効に使おうというもの。省エネにも役立ち、消費の活性化にもつながるというメリットがあり、世界では現在約70カ国がサマータイムを導入している。
[an error occurred while processing this directive]日本では、昭和20年代にサマータイムが実施されたものの、あまりにも不評だったため数年で廃止された。廃止後もたびたび導入が議論されてきたが、サマータイムにおける時間設定のコスト等、デメリットとの折り合いがつかないという理由で導入は見送られてきているのが現状だ。
「ゆうやけ時間活動推進運動」が目指すものは?
そんな中、今月1日から東京・霞ヶ関の各省庁で始まったのが「朝型勤務」である。大筋は以下の3つだ。
○7月〜8月、国家公務員の始業時間を1~2時間前倒しする(始業時間・午前8時半~9時半)。
○早朝に出勤した職員の退勤時間は午後4時15分~5時15分とし、できるだけ残業せずに退庁するよう求める。
○毎週水曜は午後8時までの消灯を呼びかける。
民間企業にも広げていきたいと提案された朝型勤務は、生活スタイルの変革をうながす「ゆうやけ時間活動推進運動」というのが正式名称。略して「ゆう活」と、愛称までつけて普及を目指している。
今回、政府が「全国一斉に時計を進めるサマータイム」ではなく「生活スタイルの変革をうながすゆう活」を提案するのには理由がある。サマータイムが主に電力消費の節減など省エネ、エコの観点から推進されるのに対し、今回の変革推進のいちばんの目的とされるのは、「超過勤務の縮減」だ。
安倍首相は1日午前、「日本の長時間労働の慣行を変えるきっかけにしたい」とあらためて語り、首相本人も1日夕方は公務を早めに切り上げて国立西洋美術館を訪れ、18世紀フランス美術を30分鑑賞するなど、パフォーマンスを見せた。
実現できれば肉体的にも精神的にもよいことづくめだが...