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【東洋医学で毎日の不調を乗り切る】

便秘薬を無駄にしない「便秘の4タイプ」の見分け方

なかなか出ない便秘にはタイプがあるshutterstock.com

 市販されている便秘薬の種類は豊富ですが、「効きすぎて下痢になってしまう」「続けて飲んでいたら、効かなくなった」というケースも多いようです。こんなトラブルが起こるのは、その薬が体に合っていない証拠。確実かつ穏やかに便秘を治すためには、まず、便秘のタイプを見極めることが大切です。そのときの体の状態に合った治し方をすれば、慢性便秘の解消にもつなかっていくはずです。

①コロコロ便しか出ないとき
【症状】乾いた感じのコロコロ便しか出ない/のどが渇きやすい/唇が乾燥している/舌の色が赤い
【対策】乾燥した腸を潤してくれる、ゴマやハチミツが最適
 腸の潤いが不足していると、乾燥したコロコロ便しか出なくなってしまうことがあります。こういうときにおすすめなのは、ゴマ、くるみ、松の実、ハチミツ、ヤマイモ、白菜、桃など、腸の潤滑油となってくれる食べ物。松の実、くるみ、黒ごまを炒ってすり、はちみつと湯を加えた中国しるこ『三仁糊』もよいでしょう。これらの食べ物は、作用が穏やかなので、どのタイプの便秘にも有効です。

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②おなかが硬く張って痛むとき
【症状】おなかが硬く張っている/のどが渇き、冷たいものが飲みたい/便が硬く、匂いがきつい
【対策】おなかにこもった熱を、果物や野菜でとりのぞく
 辛いものや脂っこいものの食べすぎなどが原因で、おなかに熱がこもって便が乾燥し、出にくくなることがあります。おなかが硬く張って苦しく、触ると熱感があるのが特徴です。こういう熱タイプの便秘には、果物や生野菜、牛乳などが効果的。おなかの熱をとって、腸に潤いを与えてくれるからです。大黄などが入った便秘薬も、このタイプなら問題はありません。ただし、長期服用していると、逆におなかが冷えてしまうこともあるので、便秘が治ったらすぐにやめるようにしましょう。

ストレスが原因の便秘には軽い運動と入浴

③便秘しても、おなかが張らないとき
【症状】便秘をしてもおなかが張らない/食事のあとに眠くなる/おなかを温めると気持ちがいい
【対策】センナやドクダミはNG。温かくて消化のよい食事で腸の調子を整える。おへそへの棒灸も有効。棒灸はモグサを紙で巻いて棒状にしたお灸です。棒灸を皮膚にかざしておなかを暖めます
 1週間くらい便秘をしていれば、ふつうはおなかが痛んだり、張ったりするものですが、腸の動きが鈍くなっている場合は、ほとんどおなかの不快感がありません。便が出るときも、はじめだけ硬く、あとは軟便か下痢、ということが多いようです。このタイプの便秘には、果物や生野菜、冷たい牛乳などは向きません。おなかが冷えて下痢をしたり、よけい腸の動きが悪くなったりする恐れがあるからです。センナ、大黄、ドクダミ、アロエなどはさらに作用が強いので、避けたほうがいいでしょう。
 
 腸に元気を与えて動きをよくするためには、温かくて消化のよい食事がいちばん。胃腸をしっかりさせる働きのあるお米を中心に、野菜の煮物などを合わせた和食がベストです。
 なお、おなかが冷えて腸の動きが悪くなることもありますが、この場合も注意点はほぼ同じ。ショウガやシナモンなど、おなかを温めるものを適量とると、なお効果的です。

④ストレスによる便秘
【症状】おなかにガスがたまって張る/イライラする/ゲップが多い/ストレスが引き金で便秘がひどくなった/便が細く、すっきり出ない
【対策】アロマバスで、おなかのマッサージを
 ストレスによって、腸が緊張した状態になって起こる便秘です。腸がスムーズに動かないため、便が細くなる、切れぎれになる、スッキリ出ない、といった不快な症状が現れます。イライラしたり、おなかにガスがたまって張る、といった症状も伴います。こういうときには、滞った「気」の流れをよくするために、軽く体を動かし、そのあとは、お風呂にゆっくりつかってリラックスするのがいい方法。バスタブに38度くらいのお湯を半分(腰がつかるくらい)ためて、下半身だけ入浴し、おなかを時計回りにマッサージします。好きな香りのアロマオイルを3~4滴たらすとより効果的です。
(文=編集部、監修=呉澤森/呉迎上海第一治療院院長)

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