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「デカフェコーヒー」 でカフェインのコントロール

コーヒーの苦みは"焙煎"で決まる

 ビジネスパーソンの中には、日中のパフォーマンスをアップさせるため、一日中コーヒーを手放せない人は少なくない。目覚めの一杯から始まり、出社して一杯、ランチ、ミーティング、デスクワーク、残業中に......。

 コーヒーに含まれるカフェインには、ご存じのとおり覚醒作用や集中力向上などの作用がある。疲れた体に、コーヒーの苦みとコクはよい気分転換にもなる。しかし、これだけ常飲していると「体に悪くはないだろうか」と不安がよぎることもあるだろう。

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 一番気になるのはカフェインの影響だ。カフェインに対する耐性は人によって著しく異なる。そのため、健康に及ぼす影響を正確に評価することは難しいとされている。カフェインに対する感受性が高い人に対しては、不眠、頭痛、神経過敏などの悪影響が出ることもある。一気に大量に飲めば、「カフェイン中毒」につながる危険性もある。

 食品のリスク評価を行っている内閣府食品安全委員会は、現段階ではカフェインの摂取についてのリスク評価を実施していない。しかし、海外では健康影響を検討し、摂取目安を設定している国や国際機関もある。

 その一つ、カナダ保健省は、健康な成人の場合で、副作用のリスクがない一日あたりのカフェイン摂取量を400㎎程度としている。コーヒーカップ一杯(237ml)あたりのカフェイン含有量が約135㎎、これを換算すると、一日約3杯のコーヒーが、摂取カフェインの許容量となる(食品安全委員会ファクトシート平成23年3月)。

 ただし、カフェインは、コーヒー以外にも紅茶、煎茶、コーラなどの清涼飲料水、チョコレートなども含有している。それらも口にするならば、コーヒーの摂取目安はもう少し少なく見積もるべきだろう。そうするとコーヒー党には、一日に飲める量は物足りないかもしれない。

何杯も飲みたい人にベストな選択は?

 それでも「気分的にコーヒーは欠かせない」「一日2杯ではのりきれない」という人には、「デカフェ」をおすすめしたい。デカフェとは、本来カフェインを含んでいる飲食物からカフェインを取り除くこと、あるいは通常は添加されるはずのカフェインを加えていない飲食物を指す。

 しかし、一般的にデカフェといえば、「カフェインレスコーヒー」を指すことが多い。コーヒー好きには「カフェインレス=おいしくない」という先入観があって、飲んだことがない人が多数派だろう。

 カフェインは苦味成分だ。コーヒーからカフェインを抽出したら「独特の苦み」がなくなるのではないかと懸念される。だが、カフェインはコーヒーの苦み成分の全てではなく、15%程度を占めているだけ。コーヒーの苦みの大部分は"焙煎"で決まるのという研究結果がある(第234回アメリカ化学会会合)。

 つまり、生豆の時にカフェインを抽出したデカフェでも、焙煎の過程で普通のコーヒーと同等に苦みを維持できる。さらには、カフェイン抽出技術の向上で成分の損失を減らすことが可能になり、デカフェの品質もアップしている。

 デカフェは豆や粉、インスタントの販売もあり、スターバックスコーヒーやタリーズコーヒーなどで注文することもできる。ただし、メニューに載っていなかったり、対応していないメニューもあったりするため、注文時に確認するといい。

 コーヒーを飲み過ぎだなと感じた時は、デカフェを積極的に選択して、体に優しいコーヒータイムを楽しんで、次のひとがんばりに備えてみてはどうだろう。
(文=編集部)

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