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【インタビュー がん治療は第一選択がその後の人生を変える! 第2回 市民のためのがん治療の会代表 會田昭一郎さん】

がん治療は"治ればいい"から"高いQOL"を維持して社会復帰する時代に

セカンドオピニオンで別の選択も

 「市民のためのがん治療の会」代表である會田昭一郎さんは、自身が患った舌がんの治療体験を基にして、2004年に同会を設立した。「がん治療における消費生活センター」をイメージした同会は、患者にとって最適な治療の選択をサポートするため、セカンドオピニオンの斡旋相談や、がん治療に関する普及啓発活動、医療環境整備の政策提言などを行っている。

この治療が本当に最適とは限らない

 今やがんは、「治ればいい」から「高いQOLを維持しながら社会復帰する」時代となった。がん患者にとって、最適な治療とは何なのか。

 「今ではがんになっても、約半数の人が社会復帰できる時代になりました。その反面、長期生存者の中には、治療後のQOLの低下に悩む人もたくさんいます。市民のためのがん治療の会を立ち上げた直後に、前立腺治療で性機能を失った方から、「半年早くこの会巡り合っていたら......」という話を聞き、本当に残念な気持ちでいっぱいになりました。がん治療は、最初に選択した治療がその後の結果に大きく影響します。どのような治療法が最良なのかを選択することは、極めて重要なのです」

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「たとえば舌がんの場合、切除手術をすれば、治療後の会話や経口摂取に支障を来たすことがあります。 また前立腺がんの手術をすると、性機能や排尿障害が生じることが少なくありません。子宮頸がんなどでも、全摘手術が多くなされています。日本ではどのがんも、多くが外科手術による治療が行われています。しかし、全てのケースにおいて、患者にとってどういう治療法が最適かを"最初に"決定することが大切です。私自身が、放射線による小線源治療を探し当てて、舌を切除せずに3週間後には職場に復帰という、高いQOLを維持できて痛感したことです」

欧米の先進諸国と比較して十分でない放射線治療

 がん治療の三本柱の一つである「放射線治療」。しかし、日本は欧米の先進諸国に比較して放射線治療の専門医が少ないため、有効に活用されているとはいいがたく、患者に対しても十分な情報が提供されることは少ないのが現状だ。

 放射線治療は、化学療法や外科手術などの治療に比較して、患者の受ける身体的な負担も軽く、高齢者でも治癒を目指した治療が可能となってきた。体の機能と形態を温存した、高いQOLを維持した治療結果が期待できるケースも多いといわれている。

 「最近ではセカンドオピニオンを求める患者も増えてきましたが、部位別・臓器別の専門医の意見だけではなく、放射線治療医などの立場の異なる別の角度からの意見も参考となるのではないでしょうか」

セカンドオピニオンを求める人にがん専門医がアドバイス

 市民のためのがん治療の会では、セカンドオピニオン(第二の意見)を希望する人に、がんの状態や居住地域などを考え、全国の放射線治療の専門医の中から、適切な医師を紹介している。これらの医師は同会の活動に賛同協力している、放射線治療専門医の資格を有するがんの専門家だ。

 「放射線治療医は、外科では乳がんは乳腺外科、前立腺がんは泌尿器外科というように専門分野の臓器だけを診ているのとは異なり、全身の多くのがん治療に携わっており、がん治療についての横断的で広範な経験を持っています。そこで、最良の治療法を選択するために、放射線治療医の有志の助言を得て、放射線治療に限らず、がん治療に関する正しい情報公開を行うことで、納得して治療を受けられるようなサポート体制を目指しています」

 「当会が"市民のための"と称しているのは、本当に患者・消費者の立場で、個人にとって最適ながん治療を考えようという気持ちの現れ。当会を通じてのご相談の場合は、紹介状などがなくても、安心してセカンドオピニオンを求めることができます」

 市民のためのがん治療の会では、相談は会員に限るが、料金は年会費とは別にセカンドオピニオン料として一人の患者につき初回2000円、2回目以降1回1000円。会員には、がん治療に関する講演会、見学会などの案内、「ニュースレター」による情報提供がなされる。
(取材・文=編集部)

●市民のためのがん治療の会 http://www.com-info.org/
●一般社団法人 市民のためのがんペプチドワクチンの会 http://www.ccpvc.org/

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