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インフルエンザの新治療薬「ゾフルーザ」とは? 安全性や効果は証明されているのか

インフルエンザの新治療薬「ゾフルーザ」は選択すべき?

 インフルエンザワクチンの予防効果は、通常はワクチン接種後、およそ2週間で現れる。ただし、予防効果が期待できる期間は、成人で接種後2週~5カ月程度、13歳未満では2回接種後の2週~5カ月程度だ。

 ここ数年来、ウイルス型の流行予測が的中しているために、予防効果の精度は高まっている。たとえば、平成9年のA/H3N2、平成10年のAソ連型A/北京262/95(H1N1)、A香港型A/シドニー/5/97(H3N2)、B/三重1/93などのワクチンは、流行したウイルス型と一致していた。

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 ただし、2012年~2013年シーズンのインフルエンザ流行期に、全国の高齢者施設でワクチンを接種した高齢者が相次いで集団感染し、死亡者も出た。いくら予防効果の精度が高まっているとはいえ、侮れない。

 インフルエンザに感染した場合、早期回復や症状軽減のため、一般的には治療薬が処方される。 2018年3月、塩野義製薬は新たにインフルエンザ治療薬ゾフルーザを開発した。ゾフルーザとはどのような薬か、タミフルやリレンザとはどう違うのか。

1回2錠、飲むだけのゾフルーザは効くのか?

 塩野義製薬によれば、ゾフルーザは大人なら20ミリグラム錠(直径8.5ミリ)を1回2錠、子どもなら10または20ミリグラム錠(直径5ミリ)を1回1錠服用する。4~9月の国内の売り上げは4億6千万円でインフル治療薬のシェア65%を占めている(2018年12月17日朝日新聞デジタル)。

 従来から普及しているノイラミニダーゼ阻害薬のタミフル、リレンザ、イナビルとの違いはなんだろうか?

 タミフルやリレンザは1日2回を5日間服用する必要がある。また、イナビルは1日1回だが、吸入容器を使うので、子どもやぜんそく患者は使いにくい。

 インフルエンザウイルスは感染すると、細胞に侵入して増殖し、細胞膜を破って外に広がる。従来の治療薬はウイルスが細胞の中から出るのを抑制するが、ゾフルーザはウイルス自体が細胞の中で増殖できないように働くため、タミフルなどが効かないノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルスにも有効だ。ウイルス感染価を早期に大幅に低下させるので、治療効果と同時に周囲への感染防止効果もある。

 塩野義製薬が実施した約1400人を対象にした臨床試験によると、ゾフルーザを服用した人のおよそ半数において、24時間でウイルスが検出されなくなり、従来の治療薬よりも早くウイルスを抑制した。

 一方で、厚労省によれば、ゾフルーザを服用した10代の患者が上半身裸のまま玄関から出ようとするなどの異常行動が2件報告されている。だが、厚労省は薬と異常行動の因果関係は不明と発表した。

 しかし日本感染症学会によると、ゾフルーザの服用によってアミノ酸変異が高率に発生するリスクを報告している(小児で23.3%、成人で9.7%)。また、臨床試験で臨床検査値の異常を含む副作用(下痢とALT上昇)は、成人(12歳以上の小児を含む)が5.4%(49/910例)、12歳未満が3.8%(4/105例)認められている。

 その他の有害事象は見られないが、妊婦への投与は慎重を要する。日本感染症学会は臨床症例を蓄積し、薬剤の位置づけや有効性を判断する必要があるとしている。また、日本小児科学会はデータの蓄積が乏しく、臨床試験で判明しなかった予期しない副作用の可能性があることから、現時点では検討中とし、推奨していない。

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