トップアスリートのインソール術を盗め!(depositphotos.com)
トップクラスのアスリートのほとんどがインソール(靴の中敷き)を使っていることは、あまり知られていない。靴とは違って人目につかないインソールだが、アスリートの必須条件である「ケガをしない」点で大きく貢献しているのだ。
義肢装具士の大平吉夫さんは、プロゴル、スケート、テニス、サッカー、野球など、多くのアスリートのインソールを手掛けている。
[an error occurred while processing this directive]ヘルスプレス読者にも、健康維持のためにランニングやゴルフなどを取り入れている人は少なくないだろう。バランスが崩れたフォームで運動をすれば、膝や腰などを傷めて逆効果になってしまう。
スポーツをするときにはどのようなインソールを選ぶといいのか、大平さんからアドバイスをもらったので紹介しよう。
長時間プレイしても疲れにくい体になる
「アライメント」という言葉は、車を運転する人ならば知っているだろう。タイヤが地面に接地する角度を正しく調整することを「アライメント調整」といって、車本来の走行性能を発揮するために重要なのだ。
アライメント(alignment)を直訳すると「配列」「並び方」で、車だけでなく人間にとっても重要だ。骨や関節の並び方がずれていたり崩れていたりすると、私たち人間も本来の能力を発揮できない。
「インソールを使ってアライメントをニュートラルに調整すると、長時間プレイしても疲れにくい体になるんです。疲労がなければケガもしにくい。選手生命を脅かされることもなく、練習を積み重ねてもっと強くなれるわけです」と大平さん。
インソールは、選手の足だけでなく、スポーツでの動きに合わせて作られている。それぞれのスポーツで次のような配慮がなされている。
○ゴルフ
ゴルフは体重移動が大事といわれているスポーツだ。そのために、アドレス(ボールを打つときの構え)がぶれないように、安定させる必要がある。
一流のゴルファーでもない限り、どんなに意識しても骨盤が傾いて常に体が揺らぎ、姿勢が崩れてしまうものだ。
正しいアドレスを取るために、インソールが役に立つ。「確実に変わるのは、パターですね。また、足がスムーズに回旋しやすくなり、強い蹴りが生まれるので、ボールの飛距離も伸びます」と、自身もゴルフを行う大平さんは語った。
○テニス・バスケット
テニスもバスケットもコートが硬い。その分、地面や床からの衝撃を大きく受ける。そのため、インソールには強度が高く、衝撃吸収に優れた素材が使われる。
○ランニング
短距離走では、ほとんどかかとを着かないのでインソールはあまり必要ない。一方、長距離では足の裏が酷使される。そのため、土踏まずをサポートして、足の疲れと変形を防ぐインソールが適している。