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【本能で楽しむ医療ドラマ主義宣言! 第11回】

ドラマ『がん消滅の罠』女医が見た診断書の怖さとドラッグラグのトラウマ

「がん消滅の罠」に続編はあるのか?(画像は番組公式HPより)

 4月2日に放送されたスペシャルドラマ『がん消滅の罠~完全寛解の謎~』を見ました。医療ドラマといってもかなりのミステリーなこの作品。唐沢寿明、渡部篤郎、及川光博らそうそうたる俳優陣で期待値が高まりましたね。

 及川光博さんは主人の先輩ということもあり、少々おいちゃん応援気味にドラマを見始めました!見終わったときには、ここまで複雑にする必要が果たしてあったのであろうか?と悩んでしまいましたが、次につながるためには必要なことなのでしょうか?原作と少々雰囲気も違い、アンナチュラル風に構えて見てしまったので、少々拍子抜け?してしまいました。

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日々の診断書作成には大きな労力と神経を使う

 前半部分は、抗がん剤を扱うオンコロジスト(臨床腫瘍内科)の夏目先生(唐沢寿明)の苦悩がたくさん描かれていたところは、とてもうれしく見ておりました。

 そう、医師も苦しんでいることがあるのです。私の先輩のオンコロジストは精神的疲労になり、医師業をやめていた時期がありました。人を助けたい、最期の時を安らかな迎える手伝いをしたい、といってその道を目指したけれど、道中、様々な苦悩があったのだと思います。

 ドラマでも夢にうなされる夏目先生ががんの完全緩解を目の当たりにして目がキラキラしていました。研究者も含め、自分の行っている仕事が人を救うことができる可能性がある、ということが仕事を続けるモチベーションになっているのです。

 そして、なんとも医師の診断書のサインの重いこと。心を痛めながら書いた余命申告のサインで、「リビングニーズ特約」を悪用した保険詐欺を疑われ、自分の首を絞める結果になってしまいましたね。

 私も診断書作成時には常に、書類に違法性はないか、嘘偽りがないか…、ということは気にかけています。職場に出す診断書作成時に「この仕事はできないと書いてください」などと言われることもありますし、事故の診断書は、時に記載の段になると、受傷機転の訴えが変わってくる方がいるのも事実です。お金がかかわってくる書類ですので、カルテにのっとって、事実に基づく記載だけを行います。

 保険会社あるいは職場の係りの方に、「医師がこう書いていますので、われわれにはどうしようもありません。担当医に相談されてはいかがですか?」的なことを言われてしまった患者さんは、1枚の診断書作成料が3000円以上かかるのに、何枚ももらいに来ることになったりするのです。

 双方とも法律や規則にのっとってことを進めようとするがためのトラブルですから致し方ありません。ただ、書類作成の相談で、一人の外来で1時間かかってしまったこともあるくらいです。それでも気を付けないと利用されかねないという危険性も正直あります。

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