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人生を楽しむ人ほど<長生き>は本当だった! <幸せ>の総量が健康に関係する

人生を楽しんでいると免疫反応も強い?(shutterstock.com)

 「幸福を感じている人は長生きをする」「不幸だと感じている人ほど寿命が短い」。昔からよく言われることだが、本当にそうなのだろうか?

 理由として、<人生で楽しいことが多い=悲しみや怒りが少なくストレスも少ない>と考えられることから、健康と長生きの秘訣になるとしばしばいわれる。もしかすると、楽しみが少なく不幸な人生は長くなくていいという人々の願望も、少しは関係しているかもしれない。

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 実際、幸福感と長寿の関係については今まで多くの研究がなされてきた。その結果「主観的な幸福感が高い人の寿命は長めである」と結論づけたものもある一方で、まったく違う結論が導き出されたものもある。

 たとえば、英国の女性72万人を調査したオーストラリアの大学の調査によれば、「幸福か不幸かは死亡リスクにほとんど関係がなかった」と報告されている。この結果は当サイトでも紹介した。
 *関連記事「『幸せな人ほど長生き』は間違いだった! 約70万人の英国人女性で検証」

2年ごとに3回「幸せ度」を調査してみると

 しかし今までの調査研究では、「幸せかどうか」という問いは最初に一度行われるだけで、何年にもわたって持続的に幸福であることの重要性については調べられることがなかった。

 そこで注目されているのが、『英国医学雑誌(BMJ)』の2016年クリスマス特集号に掲載された、英ロンドン大学による研究結果だ。それによると、50代以降に楽しく幸せな期間が長く続くことが、その後の死亡リスクの低下に関連しているという。

 今回、研究チームは、幸福感の調査を2年ごとに3回行い、その後6年間の死亡リスクとの関係を調べた。対象となったのは、英国加齢縦断研究(ELISA)に参加した人たちのうち、50歳以上の9365名(平均年齢63歳)だ。

 2002年、2004年、2006年の2年ごと3回にわたり、その時の人生を楽しんでいるかどうかを聞き取り調査し、その後2013年まで追跡。それまでに死亡した人の数を参照することで、回答が死亡率と関係しているかどうかを調べた。

 参加者は「自分がしていることを楽しんでいる」「ほかの人と一緒にいて楽しい」「どちらかといえば幸せな気持ちで人生を振り返ることができる」「最近はエネルギーが満ちていると感じる」という質問項目に回答。

 その総得点から高スコア群「人生が楽しい」と低スコア群「人生が楽しくない」に分けた。3回の調査で全体の20%の人が1回、22%が2回、34%が3回とも高スコア群の「人生が楽しい」に分類された。そして24%の人が、調査中1度も高スコアにならなかった(0回)。

 ちなみに「人生が楽しい」と報告した回数は男性より女性の方が多かった。そのほかの高スコア群の特徴としては、既婚であること、高学歴なこと、富裕なこと、若いこと、現在も働いていることなどがあった。

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