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【連載「国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか?」第15回】

腰痛に「リリカ」は効かない!? 治るどころか副作用も~痛みのメカニズムが違えば対処も変わる!

痛みの種類で薬も変わる(shutterstock.com)

 これまで数回にわたり、腰痛と薬の関連について解説してきたが、今回は「リリカ」という薬と腰痛の関係について解説する。

 リリカとは、成分名は「プレガバリン」といって、神経由来の疼痛に対して処方される薬である。前回に取り上げた「ロキソニン」*は、炎症などによる疼痛に対して効く薬で、メカニズムが異なる。

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*「ロキソニンで腰痛は治らない! 治ったような錯覚が“ロキソニン依存”を招く」http://healthpress.jp/2016/03/post-2319.html
*「ロキソニンテープにも新たな副作用?〜気をつけたい“痛みを押さえ込む”ことの功罪」http://healthpress.jp/2016/04/post-2323.html

 ここで「痛み」について少し説明したい。痛みが出現する原因は、大きく分けて2種類に分けられる(もっと細分化できるが、今回は便宜上2つに分けて進める)。

 一つ目は、侵害受容性の痛み。これは主に私たちがいつもイメージする痛みといっていい。たとえば、包丁で手を切った時、タンスに足をぶつけた時、足首をひねった時、そしてぎっくり腰になった時……。

 これらのアクシデントで感じるときの痛み、それが侵害受容性の痛みである。

 もう一つは、神経由来の痛み。たとえば、手足がしびれる、ズキズキする(帯状疱疹のあとなどに感じる)などのしびれるような痛みだ。これは神経由来の痛みの特徴であり、先に述べた侵害受容性の痛みとはメカニズムが異なる。そのため、薬もそれぞれに応じたものが処方される。

 侵害受容性の痛みに対しては、ロキソニンなどの一般的にいわれている「痛み止め」を使うことが多い。一方、神経由来の痛みに対しては、今回のテーマの「リリカ」が処方される。つまり、ぎっくり腰などには、基本的にリリカは適応しない。

 では、神経由来の痛みというのは、どのように自分で予想すればいいのか。「ズキズキ」「ヒリヒリ」などの、たとえば長時間正座をした時に足がしびれる、というような痛みの場合が多い。

 腰痛でも、座骨神経痛*のような症状の場合は、神経が原因の可能性があり、その場合はこのような痛みが出現することが多い。

*「『座骨神経痛』という病名は存在しない! 痛みの原因は“お尻の奥の筋肉”が硬いから!?」http://healthpress.jp/2016/02/post-2243.html

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