法改正で自危険運転は減った!?(shutterstock.com)
タワーレコードのキャッチフレーズ「NO MUSIC,NO LIFE.」は 至言だと思うが、過失致死を犯してまで聴くべき音楽なんてない――。
2月23日の千葉地裁において、イヤホン走行の男子大学生(20)に下された判決は、禁錮2年6か月・執行猶予3年だった。
[an error occurred while processing this directive]2015年6月10日の19時頃、千葉・稲毛市内の県道をイヤホンで音楽を聴きながら自転車走行していた大学生が横断歩道中の高齢女性(77)にぶつかって死亡させた。時速は約25キロ、赤信号を見落とした上での衝突だった。
その悲劇が折しも改正道路交通法施行(2015年6月1日)から10日目の、皮肉な顛末だったのを思い出された方は意外と少ないだろう。ましてや自転車乗用時の「危険行為」とされる14の事項を全部答えられる人となれば、もっと稀だろう。
赤信号、みんなで無視すれば捕まらない!?
①信号無視、②指定場所一時不停止、③歩道通行時の通行方法違反、④通行禁止違反、⑤歩行者用道路における車両の義務(徐行)違反、⑥路側帯通行時の歩行者の通行妨害、いずれも一向に絶える気配のない「ヒヤッ!!」とさせる日常光景だ。
そして、改正法が施行後、通勤・通学時間の「⑦遮断機が下りた踏切への立ち入り」や、鼻歌交じりの「⑧酒酔い」はみるみる減少したのだろうか? 現時点で、こうした実態を伝える公式な統計はまだ存在しない。
義務化された安全講習(手数料1回5700円、カリキュラム約3時間、受けないと罰金5万円以下)の受講命令対象者が「(危険行為で)3年以内に2回以上検挙された場合」とあるから、事例がまだ僅少なのかもしれない。
施行翌月の2015年7月、件の受講命令第一号は大阪在住の「制動装置不備(ブレーキが後輪のみ)」の男性か(?)との一部報道があった。いわば悪質行為の象徴的やり玉にあげられた「⑨制動装置(ブレーキ)不良自転車運転」はさすがに激減したようにも思えるが、定かな統計はない。
⑩交差点での安全進行義務の違反など、⑪交差点での優先妨害など、⑫環状交差点での安全進行義務違反など、これら交差点周りのマナー違反は0増0減とさえ思えてならない。
そして、⑬通行区分違反、⑭安全義務違反、以上が自転車乗用時の「危険行為」14項目だ。