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【連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」第16回】

危険ドラッグ患者を診察した際、医師は警察や行政機関に通報すべきか?

危険ドラッグには麻薬の成分が含まれていることも(shutterstock.com)

 行政機関や警察などによる「ヘッドショップ」の取り締まり強化が功を奏して、最近、危険ドラッグに手を染める者は減少したかのように見える。しかし、危険ドラッグの販売は、インターネットによるものがが主流となりはじめている。化学構造式の一部を変換することによって、より強力な危険ドラッグが作成され、当局の規制を逃れ被害を拡大させたように、第2の「いたちごっこ」と称される事態が生じているのだ。

 危険ドラッグは、国内産のもとより、諸外国の得体の知れぬ成分が含まれている可能性が大きい商品までもが、簡単に入手できる状況になっている。それらの危険ドラッグが、特に若年者間で普及し、大きな身体的、精神的な被害を及ぼしている。

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 以前、本稿で報告したように、その成分中には麻薬も含まれていることがある。商品に含まれている麻薬などの成分を知ることなく常習的に使用し、ついには人格崩壊、多臓器障害、そして突然死などの悲劇を招くことにもなる。 

危険ドラッグ対策のため科捜研と医療機関の総合的な協力を

 麻薬および向精神薬取締法によると「医師の診察の結果受診者が麻薬中毒患者であると診断したときには、すみやかにその者の氏名、住所、及び性別その他厚生労働省令で定める事項をその者の居住地の都道府県知事に届け出なければならない」を定められている。

 一般に麻薬とは、コカイン、ヘロイン、モルヒネ、LSD、MDMA、阿片、大麻などが該当するが、危険ドラッグには、これらの成分と化学構造式が極めて類似し、より有害性の強い成分が含まれていることがある。また、依存性が強く、即時に致死的効果を呈する成分も存在することもある。

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