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【東洋医学で毎日の不調を乗り切る】

パソコン症候群で起きた目のトラブル 薬を飲まずに食事で復活させる方法とは

目をスッキリさせる枸杞の実shutterstock.com

 パソコン、スマホにタブレット、ゲーム機器...。現代人の目をとりまく環境はかなり過酷です。目を酷使することによってドライアイになりやすく、肩こりや腕の痛み、手の痺れなどに悩まされている人が後を絶ちません。モニターを凝視するためまばたきの回数が激減、しかも視線はモニターやキーボード、プリントなどの間を激しく移動するため疲れはさらに加速します。そのため、目がかすんでよく見えない、しょぼしょぼするといった症状を訴える人が増えているようです。

 目の疲れに効くのは、なんといっても休憩ですが、東洋医学で言う「明目作用」を持つ食べ物を利用するのもいい方法です。明目作用とはものがはっきり見えるさまを意味して、目が良く見えることをいいます。

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"明目作用"のある枸杞+菊花茶、はぶ茶を

 この明目作用には枸杞(クコ)の実と菊花の組み合わせがベストです。枸杞の実は中国食材店のほか、健康食品売り場でもよくみる枸杞の実。補血作用があり、目によいことでも知られています。貧血や立ちくらみにもおすすめです。菊花は中国茶専門店で手に入る白菊花のお茶。目にいいことで知られています。枸杞と一緒に使うと、さらに効果が高まります。また、熱をとる作用があるので、目の充血やのどの痛みにも効果があります。なお、薬効は少し劣りますが、食用菊にも似たような作用があります。

 枸杞の実と菊花にお湯をさしてお茶のように飲むといいでしょう。目がじんじんと痛んだり、太陽の光がふだんよりまぶしく感じるときなどは、はぶ茶もおすすめです。健康茶として有名なはぶ茶の別名は「決明子」。明目作用があり、目によい生薬として知られています。熱をとる作用もあるので、目の充血などには特に有効。同じく目に効く枸杞の実や菊花と一緒に用いると、なお効果的です。便秘にも有効なのですが、冷え性の人や腸が弱い人は常用しないほうがいいでしょう。

 また、過労ぎみで、目も疲れやすいというときは、体内の気や血が不足していることが多いので、ウナギ、エビ、レバーなど、気血を補う食べ物が効果的です。
 
 なお、目が悪い人は、それだけ目が疲れやすいと思いがちですが、実は、長時間パソコンの画面を見ていたり、本を読むなど、近くのものを見る機会が多い現代生活では、近眼の人より、正常な視力の人のほうに目の負担がかかりやすいのです。というのも、近視の人の目は、もともと水晶体が厚くなっているので、近くを見るときにはほとんど調節が必要ありません。これに対して、正常な視力の人の場合は、水晶体を厚くする努力が必要なので、その分目が疲れやすいというわけです。そういう意味では、近視(先天性の「軸性近視」を除きます)は、現代生活に適した目と言えるかもしれません。そして、正視の人よりさらに目が疲れやすいのが、遠視の人。近くのものはもちろん、遠くのものを見るときにも水晶体を調節しなければならないからです。
 
 ちなみに、遠視を「遠くまでよく見える目」だと勘違いしている人がいますが、これは間違い。遠視がかなりひどい場合は、近くのものも遠くのものも見えにくくなります。思い当たる人は、一度眼科で視力検査を受けてみましょう。
(文=編集部、監修=呉澤森/呉迎上海第一治療院院長)

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