こんなふうに「寝落ち」できれば......
夜型生活が当たり前になりつつある。それに輪をかけ、さまざまなストレスが現代人の心身をいためつけ、睡眠障害の悩みはつきない。
昨年開かれた日本睡眠学会で、スリープウェル(本社・大阪市)が興味深い『日本人の睡眠2014』を発表した。同社が開発した小型の医療機器脳波計を921人が使用して自宅で睡眠を計測した。
[an error occurred while processing this directive]その結果、総就床時間は男性6時間25分、女性6時間16分(全年齢平均)。就床時間は年齢とともに増加するが、①入眠潜時(覚醒時間から眠りに入るまでの時間)の延長、②中途覚醒の増加で睡眠効率が低下。「深い睡眠の割合」はどの年代でも女性≧男性で、女性の方が上回っていた。さらに男女とも加齢とともに睡眠時間が減少することも分かった。
昨年発表されたOECD(経済協力開発機構)のアンケート調査によると、OECD加盟国の睡眠時間の平均は、男性が7時間41分、女性7時間36分。世界中で日本人は1時間15分以上も"超短時間"睡眠であることが明らかになった。9時間以上も眠るスウェーデン女性と比べると雲泥の差だ。
長期休暇明けは注意、睡眠リズムを整えて
正月休みなど長期休暇明けの場合、不規則な生活から脱け出せない人もいるようだ。寒い朝は起きるのが辛い。起きたら頭痛がする、仕事に集中できない......。そんな人は睡眠のリズムが乱れっぱなしなのかもしれない。なかには眠らないことを自慢する人もいたりして愚かな話だ。
専門家は「睡眠のリズムが崩れていると布団に入ってもなかなか寝付けない」と指摘する。夜更かしに慣らされた体は「眠るまでに時間がかかる」がインプットされ、眠りにくい習慣をつけてしまうというのだ。パソコンやゲームに夢中になって夜更かしする人も同じことだ。スマートフォンを寝床に持ち込むのもよくない。
中高年になると就床しても夜中に何度もトイレに起きたり、心配事があって寝つけなかったりする人も増えてくる。こうした中途覚醒は安眠・快眠の妨げになるのはいうまでもない。そして、睡眠不足は必ずと言っていいほど仕事の効率を落とすことになる。
夜の有酸素運動で快眠に誘う
仕事への集中力を高めるためにも良質の睡眠を確保したいが、眠気を誘うための手立てはあるのだろうか。
満腹になれば眠くなるとばかりに夜食をたらふく食べるというのは言語道断、メタボリックシンドロームまっしぐらだ。不眠とメタボ予防に一挙両得なのは、夜の有酸素運動。仕事帰りに1時間程度のウオーキングをしたり、スポーツジムや自宅でルームランナーをこいでみたり。就寝の2時間前ぐらいを目安に有酸素運動をするとほどよい疲れで眠気もやってくる。
帰宅後の犬の散歩でもいい。生活習慣が乱れ、運動不足という人、体力的にも自信がないという人はとにかく体を動かしてみよう。そして、ゆったりとした気持ちでぬるめのお湯につかると副交感神経が刺激され、体が休息モードへと誘われる。照明を落とし、パソコンやスマートフォン、テレビなどをシャットアウトして床に入ろう。
そして、朝は熱いシャワ―を浴びて交感神経を刺激する。もちろん、朝食はしっかり摂って、腸を働かせよう。規則正しい生活のリズムを作ることが夜の快眠、安眠につながる。
(文=編集部)