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冬にもカビに警戒、しつこいセキはカビが原因の喘息や肺炎かも?

冬は結露からカビが大量発生 Shutterstock.com

 カビは梅雨時や真夏のものと思っていないだろうか? 実はそれに次いで多いのが冬のカビだ。なぜ冬にカビが生えるのだろうか?

 冬はどこの家も暖房をつけるので室内は暖かい。しかし、外は寒いので内外の温度差が大きくなる。すると、屋内の湿気が水滴となって窓や壁に付く。いわゆる結露だ。高断熱の住宅でない限り、冬の結露は宿命ともいえる。結露があればカビが生えやすい。冬でもカビにとって好都合な環境がそろっているのだ。

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 カビの発生要件は、温度、湿度、栄養源だ。20~37℃程度の温度、65%以上の湿度、栄養源に埃、食べカス、垢、石けんカスなどがあれば、すごい勢いで増殖する。
 
 だが、これはカビにとって最適な環境であるに過ぎない。これ以外の環境下でもカビはしぶとく生きている。冷蔵庫でカビが生えた食物を発見して、ぞっとした経験はないだろうか? 気温0℃でも、どっこいカビは生きている。どんどん増えることはないが、死滅もしないのだ。

 夏のカビは浴室や台所など水回りに多い。だが冬は、壁クロスの裏側や建材の接合部など、目に触れない場所にも生えていることがある。さらにカビは、同じ場所におとなしくとどまってはいない。目に見えずとも常時空気中を舞っているので、屋内にいるとカビをたくさん吸い込むことになる。

 家の中ではしつこくセキが出るのに、外では出ない日が続く場合、カビが原因の呼吸器疾患の可能性がある。子どもなら気管支喘息、高齢者なら肺炎が代表的だ。鼻炎、気管支炎などもカビが原因で起こりやすい。


カビを見つけたら掃除機で吸い取る――は正解?

 タンスの裏にカビ発見! さあ、掃除機の出番といきたいところだが、これはNG。掃除機はカビを吸い取るが、そのまま閉じ込めてはくれない。排気に混じって部屋中にまき散らされてしまう。から拭きも同様にカビを飛び散らせ、水拭きは水分がカビの栄養になるだけ......。では、どうしたらいいのか?

 カビにアルコールをスプレーし、さらに乾いた布にもスプレーして、ていねいに拭き取ろう。アルコールは薬局で買える。「消毒用エタノール」と書いてあるものがアルコールだが、注意したいのは濃さだ。カビ退治には70%以上のものを購入してほしい。

 カビが生えてから退治するより最初から生やさないのがベストだ。カビ予防には一にも二にも換気が重要。これは夏でも同じだが、冬は寒いのでつらい。それでも1時間に5~10分は換気タイムとして窓を開け放とう。寒いからといって閉め切りは禁物だ。

 掃除も大切だ。カビは水分だけでは決して生えない。埃など栄養になるものがないとダメなのだ。床面よりむしろ壁や窓枠の埃を重点的に取ろう。家具類は壁から5㎝以上離して設置し、裏側に風を通す。そこにたまった埃は掃除機の細いノズルで吸い取る。押し入れの中も要注意だ。内側の角や木の部分がカビやすく、そこから毛布や布団に被害が広がることもある。予防にはスノコを敷き、中のものを壁から離すといい。「湿気取り」も有効だが、水分で満杯になる前に交換しないと、かえって害になる。限度いっぱい湿気を吸うと、今度は湿気を放出してくるからだ。

 冬はエアコンで乾燥するため加湿器を使うお宅もあるだろう。加湿器はのどや肌を潤しカゼの予防にもいい。だが、カビのことを考えたらできるだけ使わずにすませたい。

 カビ対策では北側の部屋がとくに重要だ。湿気がたまっても南の部屋は日差しで乾きやすいが、北の部屋ではそうはいかない。冬にカビが生えるのは、北側の部屋が圧倒的に多いことを忘れないでほしい。
(文=編集部)

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