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オーガニックのタンポンでも……菌が増殖してトキシックショック症候群(TSS)

オーガニックのタンポンでもTSSのリスクは変わらない(depositphotos.com)

 毎月、あの日がやってくると思うと憂鬱になる女性が多いのではないだろうか。不順だ、経血の量が多い、生理痛がひどいなど、いろんなお悩みがある「月経」。

 憂鬱な時期を少しでも快適に過ごすため、生理用品選びは真剣で、それぞれお気に入りの品があるだろう。

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 生理用品はナプキン派、タンポン派に大別されるが、中には月経カップ(腟内に挿入して経血を吸収するカップ型の生理用品)を使う女性もいる。そして、このタンポンや月経カップが、「トキシックショック症候群(TSS)」を引き起こす原因だと知っている人はどれ程いるのだろうか。

タンポンをつけていることで発症?

 

 「トキシックショック症候群(TSS)」とは、非常に稀な急性疾患で、発熱や吐き気、発疹、めまい、低血圧、下痢などがみられ、重篤になると多臓器不全により死亡する例もある。

 原因は、食中毒の原因として知られる「黄色ブドウ球菌」や「連鎖球菌」などごくありふれた細菌毒素に対し、免疫システムが反応して引き起こされるという。

 切り傷や火傷から発症する恐れもあり、よって男性や子どももかかる可能性があるものの、「TSS発症者の半数はタンポンを使用している女性」だという(一般社団法人日本衛生材料工業連合会)。

 1970年代にタンポン使用によりTSS発症例が相次ぎ、当時人気だったP&Gの超吸収タンポン「Rely」は自主回収すると発表された。

 しかし、その後の調査で、他のブランドの合成繊維でできたタンポンでもTSSを発症することがわかった。このことから、一部の女性は「コットン100%のタンポン」を選択するようになったという。

 ところが、クロード・ベルナール・リヨン第1大学(フランス)のGerard Lina氏らによる研究から、「化学繊維のタンポンだけでなく、素材がオーガニックコットンのものを含む全ての種類のタンポンがTSSの発症に関与している」ことが明らかになった。

 その詳細は、『Applied and Environmental Microbiology』(4月20日オンライン版)に掲載されている。

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