iQOS喫煙者の9割が日本人!(depositphotos.com)
まずは下記①②はそれぞれ、どんな商品の謳い文句(その一部)で、いったい誰の発言なのか、その出典を推理していただこう。
①「感じよう。タバコの煙やニオイから解放された自由を。」
[an error occurred while processing this directive]②「望まない受動喫煙がなくなるよう、同世代の意見を代弁して発信していきたい」
正解者はかなりの、タバコ問題に関する事情通と言えるだろう。なかには①と②を続けて読んで、ひと連なりの嫌煙コピーかと錯覚なさった方もいるかもしれない。
実は①がコンビニで無料配布されていた「iQOS(アイコス)」(フィリップモリスジャパン社)のカタログ小冊子(といっても立派な全32頁!!)の巻頭を飾る惹句の一部。
その前行には「楽しもう。本当のタバコのおいしさを。」の言葉が置かれ、3行目には「体験しよう。気兼ねのないライフスタイルを。」と続いている。
そして②は3月12日、人気急上昇中のタレント、岡田結実さんが厚生労働省から受動喫煙対策推進キャラクターに任命された際(当時17歳)の談話だ。岡田さんはこうも語った。
「タバコの煙が苦手で飲食店では必ず禁煙席。タバコは一生吸わないと決めている」
さて、そんな彼女ならば「I Quit Ordinary Smoking」という言い回しを、何と訳し、どんな感慨を述べるだろうか。「私は通常の喫煙をやめる」――。実はこれこそが今や「電子/加熱式新型タバコ」の代名詞である「IQCO(アイコス)」の語源、その頭文字からの命名というわけなのだ。
iQOS喫煙者の9割が日本人
そのフィリップモリス社が、先日開かれた都内での会見で、「iQOSを使用しても非喫煙者への受動喫煙被害はほとんどない」との自社臨床試験結果を公表した。
発売以来、iQOSの発する有害物質は紙タバコ比で「約90%低減」を謳ってきたが、過去の試験は人がいない部屋などの管理環境下で実施されたものだった。
対して今回の試験は、レストランにて3属性「非喫煙者」「紙タバコの喫煙者」「iQOSの喫煙者」の約400名を対象に実施され、尿サンプルや大気中のニコチン濃度などを解析した。その結果、「iQOSの周囲への方への悪影響は認められなかった」というものだ。
しかし、ちょっと待ってほしい。であるならば、なぜいまだに生まれ故郷(本家?)の米国内では販売が許可されないのだろうか? iQOSは、世界約30カ国で販売されてるが、その市場の「9割を日本が占めている」という現実を、いったいどれだけのiQOS喫煙者がご存じだろう?
本国で「煙たがられたモノ」が、なぜか日本に上陸して(やはり煙たがられながらも)話題性と存在感をふりまいているなんて――。