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【連載「眼病平癒のエビデンス」第17回】

乾燥するのに涙目になる、冬場のドライアイの原因、治療法は?

冬場の乾燥は「涙目」の原因にも(depositphotos.com)

 最近「外に出ると悲しくもないのに涙が出る」ということはありませんか? あるいは「自転車に乗っていると涙が出る」ことはありませんか?

 特に、今頃の季節から春先まで、室内では大丈夫ですが、外に出ると涙目になる方がおられます。原因としては「乾燥」や「寒冷刺激」「風による刺激」などが考えられます。

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 冬は空気が乾燥する季節であり、皮膚のみならず目も乾燥するので、ドライアイの症状を訴える方が多くいらしゃいます。ドライアイの症状として、乾燥のために、目がゴロゴロする、疲れる、かすむ、充血する、コンタクトレンズの装用感が悪いなどがあります。

 その一方で、意外に思われるかもしれませんが、先のような乾燥によって「涙が出る」という症状もあるのです。冬の涙のトラブルは「乾燥」が多いと思われがちですが、実は「涙目」でお困りの方も多いのです。特に、屋外と室内の寒暖の差や風の刺激が原因となって、涙が出る方が多く見られます。

なぜ乾燥で涙目になるのか?

 涙は、涙腺から分泌され、角膜結膜と言った目の表面を潤した後に、一部は蒸発し、残りはまぶたの鼻側の上下にある涙点という孔から鼻に吸収されていきます(図1)。

【図1】

 涙の分泌量と蒸発量・排出量は、絶妙なバランスで均衡が保たれています。例えば、加齢により、涙が排出される導涙機能が低下したり、涙小管などの涙道が閉塞したりすると、涙が余って涙目になります。

 しかし、冬場のドライアイでの涙目は、この様な導涙機能の低下や涙道の閉塞ではなく、乾燥や風による催涙刺激あるいは、寒冷刺激に対するアレルギー反応により流涙が起きていると考えられます。つまり、この時期ですと、角膜が乾燥し、それを補うように、反射により涙が出るということもあるのです。

 「乾燥するのに涙がでるの?」と疑問を持つ方もおられると思いますが、角膜が乾くと、それを察知し角膜を潤わせようと反射的に涙が出ることがあるのです。

 この様にドライアイと診断されている方が逆に涙が多く出るということがありますし、涙目だと思って眼科を受診したら反対に乾いていてドライアイですと言われ疑問に思われることもあるでしょう。

 涙の通り道が狭いのか、角膜が乾燥しているのか、それは眼科で検査を受ければ分かります。「外出すると涙が出る」という方は、是非一度、眼科で検査を受けてみてください。

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