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【シリーズ「人に言えない女性たちの〈お尻悩み〉を解決!」後編】

「切れ痔」は女性、「あな痔」は男性がなりやすい〜痔を改善する5つのポイント

女性に多いのは「切れ痔」(shutterstock.com)

  便秘が続く! 便が硬い! お尻を拭いたら血がついた! 排便後に肛門が痛む! 排便に時間がかかる! 仕事で座りっぱなし、立ちっぱなしが多い! 

 そんな症状や生活習慣があれば、痔かもしれない!? 『日本大腸肛門病学会肛門疾患(痔核・裂肛・痔瘻)診療ガイドライン2014年版』を参照しつつ、痔の怖さと対策を話そう。

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痔は肛門疾患全体の約85%を占める国民病!

 痔は、痔核(いぼ痔)裂肛(切れ痔)、痔瘻(あな痔)の3タイプがあり、この順に患者が多い。いぼ痔は、発症に男女差はないが、切れ痔は女性、あな痔は男性に多い。

 厚生労働省『平成23年度患者調査(傷病分類編)』によれば、2011年のいぼ痔の患者は約116,000人、切れ痔・あな痔の患者は約26,000人、合計142,000。痔は肛門疾患全体の約85%を占めている。

 いぼ痔は、肛門を閉じるクッションになっている静脈叢(静脈の集まり)がうっ血し、いぼ状に膨れて発症する。肛門奥の粘膜にできる内痔核と、出口に近い皮膚にできる外痔核がある。どちらも静脈のうっ血によって生じる。出血、疼痛、腫脹、瘙痒感(かゆみ)、粘液漏出などの症状がある。通常は痛みがないが、排便時に真っ赤な鮮血が出て気づく。便秘になりがちで強く息むクセのある人が罹りやすい。進行すると、大きくなった内痔核が外痔核と繋がった状態で排便時に肛門から飛び出す脱肛になりやすい。

 切れ痔は、20〜40代の女性に特に多く、排便時に肛門の出口に近い部分の皮膚が切れ、鋭い痛みを伴う。硬い便が通過したり、下痢で皮膚がふやけたり、肛門括約筋が緊張すると発症しやすい。傷は自然に治るが、繰り返すケースが多い。進行すると、傷の回りに「見張りいぼ」や「肛門ポリープ」と呼ぶ突起が生じて肛門が狭まるので、排便後に痛みが続く。

 あな痔は、肛門上皮と直腸粘膜の境界にある歯状線のくぼみから大腸菌などが入り込み、肛門括約筋の間などを通る肛門腺に感染して発症する。化膿して肛門周囲腫瘍ができると、患部が腫れ、鈍痛と発熱を伴う。女性の発症は少なく、下痢ぎみの男性に多い。

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