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【連載「国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか?」第13回】

ロキソニンで腰痛は治らない! 治ったような錯覚が“ロキソニン依存”を招く

ロキソニンは急性期に用いたい(shutterstock.com)

 先日からロキソニンの副作用が話題になっている。【関連記事】「“国民薬”ロキソニンに重大な副作用〜空腹で飲んではいけない理由はここに!」

 それを踏まえて今回は、「ロキソニンは腰痛に効くのか?」を解説したい。

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 まず、腰痛に対して「ロキソニンを飲めば全て解決するか?」という問いには、残念ながら答えは「No」だ。もし「Yes」ならば、すでにこの世から腰痛はなくなっているはずである。
 
 腰痛には、さまざまなタイプがあることをこれまで述べてきた。原因も複雑だからこそ、適切な診断・治療にたどり着けずに悩んでいる人が多い。

 あえて、ロキソニンが効果をもたらす腰痛のタイプを挙げるならば、「急性腰痛(いわゆるぎっくり腰)」だ。

 ぎっくり腰の初期に多いのは、炎症によって痛みを感じる「侵害受容器」が刺激されて起こる急性の痛み。鎮痛薬であるロキソニンは、抗炎症作用もある。

 この段階で服用すれば、痛みを和らげ、炎症を最小限に抑えることができる。適切に療養すれば、早い回復が期待できる。

「痛みへの恐怖心」を最小限にとどめる

 各国の腰痛治療に関するガイドラインでも、急性腰痛に対する痛み止めの服用は治療・回復に有効だと示されている。エビデンスのレベルが高い、つまり科学的な根拠に基づく信頼性が高いというわけだ。

 もうひとつ大切なポイントは、急性期の時点で痛みを和らげると、「痛みへの恐怖心」を最小限にとどめることができることである。これは、腰痛の慢性化の予防につながる。ぎっくり腰が慢性化する原因のひとつは、「痛みの恐怖」の“記憶”だからだ。

 体を動かすことが怖くなり、不自然な体の使い方を覚えたりして、身体かける負担を大きくしてしまう。それを防ぐのに、ロキソニンをはじめとする痛み止めの服用は有効なのだ。

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